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ひざ痛の元凶「軟骨のすり減り」は50歳から始まる 「関節の衰え」を補うために有効な筋トレ法

東洋経済オンライン / 2024年11月27日 7時0分

だけど、皆さん、日常生活の中で多少は歩いていますよね? 最寄りの駅まで、近所のコンビニまで、車生活の方も駐車場まで、なんならリビングから玄関まで、寝室からトイレまで。その数分間を、筋肉トレーニング、いわゆる「筋トレ」に変える方法があるんです。

「歩き方」を工夫するだけで筋トレになる

名付けて「歌島式"ながら歩き"法」。筋トレといっても、どこも痛くないし、つらくありません。歩き方をちょっと工夫するだけで、とても効率のよい関節まわりの筋トレができるんです。「こんなのでいいの?」と拍子抜けしたかもしれませんが、これだからいいんです!

すぐにできるし、続けられるからです。どんな筋トレにも共通して言えますが、筋トレは「続けてなんぼ!」なんです。続けられなければ、どんなに素晴らしい方法もあなたにとって意味がないということになります。

「歌島式"ながら歩き"法」は、とっても簡単です。「歩きながら」するだけなので、毎日無理なくできるのです。ただし、毎日無理なくできることですから、どうか毎日やってください。毎日続けなければ、効果は出ません。

毎日続ける。これが最も大事なことです。何もしないでいて、痛みが和らぐことはありません。でも、キツい筋トレをたまにやっても効果は出ません。誰でもできる簡単な筋トレを、ほんの少しだけ、毎日やり続けることで、痛みはゆっくり変わっていきます。ここでは、そのやり方と、根拠になる"ちょいエビデンス"を示していきます。どうか信頼して、ついてきてください。

ただ歩くだけでも、ひざの軟骨のすり減りの予防や治療になります。すり減った軟骨が元に戻ることはないのですが、適度な刺激を与えれば、軟骨の組織はゆっくりと強くなるのです。

歩くことは、筋肉を動かすこと。筋肉を動かすことは、関節を動かすこと。その関節に適度な刺激が与えられることで、関節は強くなっていきます。研究によれば、1日の歩数が1000歩増えると、変形性ひざ関節症(軟骨がすり減ってひざに痛みを生じる病気)の人が歩くときの機能障害のリスクが17%減ることがわかっています。

では、1日に何歩ぐらい歩けばいいのでしょうか? 答えを言うと、何歩でもかまいません。毎日やれば、それでいいのです。それでも「歩数の目安がほしい」と言う方には「10分でいい」とお答えしましょう。

群馬県中之条町で全住民(寝たきりの人以外)を対象にした「中之条研究」という有名な研究が、ヒントになるかもしれません。その研究では、1日7500歩(速歩きで17.5分)でサルコペニア(加齢によって体を動かす筋肉の量が減り、身体能力が低下した状態)による体力低下が予防できるという結果を得ました。さらに、運動の強度は高過ぎても低過ぎても良くなく、中強度運動が有効だということがわかりました。

「1日1万歩」にこだわる必要はない

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