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知っておくと便利「つらい咳」を止めるツボと食材 漢方に詳しい薬剤師が紹介する咳止め漢方3種

東洋経済オンライン / 2024年11月27日 12時30分

急に出て止まらない咳。日常で使える技を紹介します(写真:buritora/PIXTA)

今の時期になると増える咳の相談ですが、今年は例年よりも相談が多く寄せられています。そこで今回は、咳がどうして起こるのか、咳の治療法、咳に用いられる漢方薬や養生について紹介します。

【イラストで見る】咳止めのツボ「定喘(ていぜん)」の位置はここ

咳が出る理由

そもそも、なぜ咳が出るのでしょうか?

日本呼吸器学会の「咳嗽(がいそう)・喀痰(かくたん)の診療ガイドライン」には、咳嗽(咳のことです)とは、「気道内に貯留した分泌物や異物を気道外に排除するための生体防御反応である」と書かれてあります。

このように、咳は基本的に体内に異物が入らないよう防御する際に生じます。ほこりやハウスダスト、細菌やウイルスなどの異物が侵入すると、気道にある咳受容体が刺激され、咳が出るのです。また、貯留物である“たん”を出す際にも咳が出ます。

咳は体の防御反応なので、無理やり止めるのはおすすめできません。根本の原因が解決すれば自然と止まるはずです。

ただ、昨今は新型コロナウイルス感染症を経験して以来、多くの人が「咳」に対して過敏になっています。咳き込むと周りに迷惑をかけてしまうのではないかと不安になりますし、実際に周りの目が気になるという方もいるでしょう。

また、1回の咳で消費されるカロリーは約2キロカロリーですので、だらだらと続くことにより体が消耗してしまうという問題もあります。

今年、咳が多い背景

今の時期になると気温とともに湿度が下がり、空気が乾燥します。

乾燥した空気は気道や肺を刺激しやすく、咳の原因になりやすいです。それだけでなく、気道の防御機能を低下させ、ウイルスや細菌に対する抵抗力も弱まるため、咳が長引くこともあります。

今年は夏が暑く長かったため、体力を消耗し、免疫力が低下している方が目立ちます。漢方の見立てをすると、そういう方の多くは体が脱水傾向(陰虚:いんきょ)になっています。そのため、例年よりも乾燥ダメージを受けやすくなっているようです。

特に今年はマイコプラズマ肺炎という、たんの少ない頑固な咳が長引くのが特徴の感染症が流行していますし、インフルエンザでも咳がしつこく残るケースも増えているようです。さらに、寒暖差が原因で咳や鼻水が出る寒暖差アレルギーも、例年より多い印象です。

このように咳の原因はさまざまですので、原因に則した治療が必要です。

まず、原因となっている病気があれば、それを改善することになります。

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