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ディズニーが「日韓コンテンツ」強化を続ける事情 『SHOGUN 将軍』に続くヒットは生まれるか

東洋経済オンライン / 2024年11月28日 14時0分

目立った韓国発のコンテンツ

日本以上に目立ったのが韓国の独自作品だった。2023年にアメリカ以外で制作された独自作品のうち、視聴回数に基づく指標の上位15作品中、9作品が韓国ドラマだったという。

中でもウェブトゥーン(縦読み漫画)を実写化した『ムービング』が世界的なヒットを記録。そうした結果を反映して、ディズニーは今後も韓国ドラマの配信を強化する。

『ムービング』の制作陣が再結集した『照明店の客人たち』(2024年12月4日配信)のほか、合計10本の実写ドラマが紹介された。うち6本の出演者や監督らが会場に登壇する力の入れようだった。そして発表会の最後に公表されたのが、ムービングシーズン2の制作だった。

日本からの発表で最も注目すべきは『旅するSnow Man』(仮)(2025年配信)だろう。人気グループSnow Manのトラベルリアリティショー。ディズニープラスの日本独自作品としては、初のバラエティ番組となる。

ネットフリックスやアマゾンプライムでも、バラエティ番組は会員獲得の原動力となっただけに、その効果が注目される。製作は日本テレビで、今後同社との協業がどこまで広がるかもポイントだ。

ディズニーのAPACプレジデント、ルーク・カン氏は、アジア発の独自作品に本格参入した3年間を「ディズニーがこれほど多くのアジア発コンテンツを手掛けたことはなく、一歩一歩、本当に小さなステップを踏んできた」と振り返る。

そのうえで「ディズニーは長期的にこの地域で独自作品を作っていく。今回のラインナップを見れば、それを実感してもらえるはずだ」と語る。

2019年11月の参入以来、苦戦が続いたディズニーの動画配信事業だが、ここにきて光明が見え始めた。11月14日に発表された2024年度決算では、動画配信事業が通期ベースで初めて黒字に転換。当日の株価は、前日終値と比べ一時10%超上昇した。

日韓の独自作品に「選択と集中」

黒字転換には、傘下の別の動画配信サービス「Hulu」とのバンドル(組み合わせ)販売や広告収入の増加、コスト削減など複数の要因がある。ただ、今後も市場から動画配信の収益性が厳しく問われるのは間違いない。

収益性を重視する姿勢は発表会にも表れていた。前回の発表会ではアジア各国で制作された作品が紹介されたが、今回は日韓の独自作品に絞った。投資の「選択と集中」をした結果といえるかもしれない。

黒字化したとはいえ、9月末のディズニープラスの会員数は1億5860万人にとどまる。2億8272万人のネットフリックスの背中は遠い。

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