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カフェ、コンビニが問われる「脱使い捨て」の責任 グリーンピースがごみ大量排出の実態を解明

東洋経済オンライン / 2024年11月28日 7時30分

その結果、スターバックスなど3つのカフェチェーンでは店内飲食においても多くが使い捨てカップで提供されているといった実態が明らかになった。グリーンピース・ジャパンの調査結果によれば、店内飲食におけるマグカップやグラスでの提供を示したリユース率は、スターバックス、タリーズ、プロントでそれぞれ24%、7%、42%。言い換えると、各チェーンとも店内飲食での飲料の多くを使い捨てカップで提供していることを物語っている。

調査結果の妥当性を確認すべく、東洋経済記者は東京都内のターミナル駅近くにあるスターバックス、タリーズなどの複数の店舗で、店内飲食でのカップの提供状況を調べてみた。

東京北部のあるターミナル駅近くのスターバックスの店舗は、休日の日中でもあり、多くの来店客で混み合っていた。ここでホットコーヒーを注文したところ、「店内用のマグカップでご提供しますがよろしいでしょうか」と聞かれた。2023年も同様に尋ねられており、この店舗ではリユースの取り組みが定着していることがわかった。

他方、都心部のターミナル駅内の店舗では、ほぼすべての客に対しアイス、ホットともに、使い捨てカップで提供されていた。この店では注文時には何も聞かれず、接客では使い捨てカップの提供が標準になっていた。このことは2023年に調べたときとまったく変わっていなかった。

タリーズでも状況は似通っていた。都心の別のターミナル駅の駅前の店舗でホットコーヒーを頼んだところ、何も聞かれずに使い捨てのカップで提供された。この店舗ではドーナツや食事とのセットなど、多くの場合で使い捨てカップが用いられていた。

人手不足で対応できない事情も

カフェチェーンでも、ドトールコーヒーショップやコメダ珈琲店などでは、飲料は陶器やガラス製、金属製の容器で提供されているのが一般的だ。なぜこのような違いがあるのか。

東洋経済ではスターバックスなど上記の3カフェチェーンに質問状を送付し、その理由を聞いた。しかし、スターバックスやプロントからは明確な答えが返ってこなかった。これに対しタリーズは、「物理的なストックスペースの問題や、人員不足により最小限の人数で運営する必要がある中、カップの洗浄に時間をかけられないという事情は考えられる」と回答した。

筆者が調べたところ、スターバックスの都内のある店舗ではメニューの数が60以上、タリーズの都内の店舗でも40を上回っていた。メニューの数の多さや客の回転率の高さ、洗い場の狭さも、リユースの取り組み強化を妨げる要因になっていることがうかがえた。

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