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会社の「倒産リスク」を"見える化"する4つの方法 安全性は、会社の体つきと血液の流れをみる!

東洋経済オンライン / 2024年11月29日 9時40分

安全性の分析では、会社がこのような状態に近づいていないかを確かめていきます。

①会社の骨格の太さがわかる「自己資本比率」

ここからは貸借対照表を使った安全性分析の具体的な方法をご紹介します。

まず確認したいのは、資産の元手(右側)の「上下」。つまり、負債(他人資本)と純資産(自己資本)のバランスです。

会社が倒産するのは、借金を返せなくなったときでした。これは裏を返せば、原則借金がなければ会社は倒産しないということ。つまり自己資本が多いほど、安全性は高いといえます。

それがわかるのが「自己資本比率」です。この比率は、すべての資本のうち、自己資本(純資産)(※)が占める割合を表します。

※厳密には、純資産中の株主資本(および「その他包括利益累計額」がB/Sに計上されている場合はそれも含める)を指す

自己資本の多さは、いわば会社の「骨格の太さ」です。骨格がしっかりしていれば、その上に十分な筋肉(固定資産)をつけ、活発に運動してたくさんの血液を生み出せます。しかし骨格が貧弱なまま、重いロボットスーツ(負債)を着れば、足元がふらつき転んで、大量出血することになりかねません。

一般的に、日本企業の自己資本比率は30%以上が望ましく、50%以上あれば安全性が高いといえます。ただし、その水準は業種や業態によって異なるため、数社の同業他社と比較して数値の高低を確認しましょう。

なお、負債が増えすぎて、仮に資産を全部売っても返済できない状態を「債務超過」と呼び、倒産の危険性が高い状態といえます。

②実質的な借金の大きさがわかる「ネットD/Eレシオ」

貸借対照表の「上下」を使った、もうひとつの安全性分析が「ネットD/Eレシオ(ネット・デット・エクイティ・レシオ)」です。

これは「純有利子負債比率」とも呼ばれ、「返す必要がある借金(純有利子負債)が、返さなくてもいいお金(純資産)の何倍あるか」を表します。

※純有利子負債=「有利子負債(短期&長期の借入金と社債の合計)」−「現預金」

例えば、ネットD/Eレシオが「3倍」なら、純有利子負債が純資産の3倍ある状態。「0.5倍」ならば、純有利子負債は純資産の半分というわけです。この数値は低いほど安全で、一般に、2倍を超えると警戒水準とされます。

この指標のポイントは、負債から現預金を除いた「ネット(純額)」で考えることです。例えば、有利子負債が500億円、純資産が200億円ある場合、有利子負債額は純資産の2.5倍になるため危険な状態のように感じられます。

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