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プロ野球の観客動員が過去最多でも「球団格差」 コロナ前と比べて観客が増えた球団・減った球団

東洋経済オンライン / 2024年11月29日 9時10分

ロッテの執行役員事業本部長だった荒木重雄氏は「野球にそれほど興味がない観客をファンにするために、ロッテは『応援』をコンテンツにした」と話した。まさにそれが功を奏したといえよう。

楽天の楽天モバイルパーク宮城は、開場から74年。楽天が本拠地にしてから何度も改装しているが、この球場も老朽化が目立つ。内野席からの「視界の悪さ」も気になるところだ。

この球場は、東京ドーム、エスコンフィールドとともにキャッシュレス決済で現金が使えないが、年配の観客が戸惑う風景がよく見られる。また楽天はチケットのダイナミックプライシングを導入しているが、他球場に比べて入場料は割高感がある。今季は後半、追い込みで観客が入り、昨年の1万8868人を大きく上回る2万3132人が入ったが。それでも動員率は74%だ。スター不在の地味なチームでもあり、決め手に欠くという印象だ。

夏場は厳しい西武のベルーナドーム

最も深刻なのは今季、パ・リーグで大差をつけて最下位に沈んだ西武だろう。観客は平均2万1601人、動員率は68.5%だった。チームの低迷に加え、屋外球場に屋根を取り付けた本拠地ベルーナドームは6月以降、湿気と強烈な暑さに見舞われる。2021年に大改修をして客席は快適性を増したが、この蒸し暑さは耐えがたいと思う。球場には巨大なファンが設置され、風を送っているが、空調がない「半屋外」ドームは、夏場に野球を観るには厳しい環境だ。

猛暑の時期の屋外球場で快適性に差

冒頭で紹介した通りNPBの観客動員は、トータルでは2019年を0.5%上回ったが、パ・リーグが103.4%と増加したのに対しセは98.3%と届かなかった。阪神、巨人が本拠地の「客席数」を減らしたことが大きいが、それに加え今年に限っては「猛暑の時期の屋外球場での観客動員が伸び悩んだ」ことがあると思われる。

7月から9月中旬まで連日猛暑日が続いたが、屋外球場での観戦は非常に厳しかった。特にマツダスタジアムや横浜スタジアムは、陽光から逃げ場がない印象だった。また前述のとおりドーム球場でもベルーナドームでの観戦も苦しかった。

屋外球場を本拠とする球団が4つのセ・リーグが、2つのパよりも伸び悩んだのは、その影響もあるだろう。

ただし、阪神とロッテは、どちらも「熱狂」を売り物に屋外のハンデを乗り越えて観客を増やしたといえる。

2023年のエスコンフィールドHOKKAIDOは、涼しく、美しい環境で試合を観戦することの「快適さ」を改めて感じさせた。

他球団の本拠地球場は「快適性」という点で大きく見劣りする。酷暑の夏が常態化し、拡大する中で、今後のプロ野球観戦は「快適さ」が、大きなキーワードになってくるのではないか。

広尾 晃:ライター

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