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よくある出会いを「思わぬ幸運」に繋げる会話術 「無難な自己紹介」がチャンスを遠ざけている

東洋経済オンライン / 2024年11月30日 12時0分

参加者が「今、こんなふうに自分を変えようとしていて……」と語り始めると、たいてい、今同じような課題に直面している、あるいは同じような目標に向けて努力しているという人が出てくる。

こんな具合にさまざまな経験が共有され、交錯することで、新たな発想や解決策、ときには新たな課題が見つかる。

それぞれが人生で直面している重要な問題について語り合うと、所属する業界や文化がまるで違っても、互いに多くの共通点があることに気づかされる。

「本当に? すごい偶然だ。私も同じような問題でずっと悩んできたんだ」という発言がたくさん出てくる。

「愛する人を失って途方に暮れている」と打ち明ければ、おそらく同じようにつらい経験をしたことを話し、解決のヒントを与えてくれる人がいるだろう。

人生を立て直すのに役立ったスピリチュアルな習慣、あるいは有能なカウンセラーを紹介してくれるかもしれない。すばらしい偶然ではないか。

誰もが自分の悩みは自分に固有のものだと思っている。

だが実際には、自分とは全然違うと思っていた人とも多くの共通点がある。

点と点がつながりやすいような会話を仕掛ければ、セレンディピティが起こる可能性は高まる。

会話を生み出すスキルは習得できる

セレンディピティが誰かの人生を大きく変えるのは、その人が心から大切に思っているテーマで点と点がつながったときだ。

初対面の相手に「何の仕事をしているのですか」と尋ねるのは、相手が自らについて語る余地を大きく狭めてしまう。

相手は狭い箱に閉じ込められてしまったような気分になるかもしれない。話がつまらなくなるのも当然だろう。

それよりも、何にやりがいを感じているかを相手が語り出せるような、オープンな質問のほうがずっといい。

「お仕事は?」といった表面的事実を尋ねるのではなく、その背後にある理由、動機、課題などを尋ねる質問を選ぶことで、興味深い話題や予想外のつながりを発見できる可能性は高くなる。

もしあなたが「何の仕事をしているのですか」という質問をされたら、予想外の返答をしてみたらどうだろう。

「現実的な答えと哲学的な答え、どちらをお好みですか?」とか(言うまでもないが、両パターンの答えを用意しておいたほうがいい)。

あなたがセレンディピティの起こるチャンスを広げたいなら、生き生きとした会話を生み出す能力はとても大切だ。しかもそれは習得可能なスキルなのだ。

クリスチャン・ブッシュ: サンドボックス・ネットワーク共同創設者

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