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オーケーの「大阪進出」に私が抱いた"一抹の不安" 安売り推しで通用するほど、関西人は甘くない?

東洋経済オンライン / 2024年11月30日 8時30分

上記のようなユニークかつコスパのよい取り組みもあって、オーケーは高い顧客満足度を有していたのだろう。

ただ、オーケーはこれまで、首都圏近縁を一周する国道16号線の内側を中心として出店を展開していて、関西では「噂は聞くけど近くにない……」という状態が続いていた。そのため、関西圏の住民にとってはある意味で「待ち望まれた」出店となったわけだ。

これが、「やっと私たちの街にも『あのオーケーが!』」というある種の熱狂状態を作ったのだろう。

失敗の経験が、関西初出店をドラマチックにした

2つ目は、これがオーケーにとって、2度目の関西進出チャレンジだったことだ。関西出店をめぐるドラマのような攻防があった。

オーケーは2021年、関西の地場スーパーである「関西スーパーマーケット」の買収計画を立てていた。しかしその直後、イズミヤや阪急百貨店の経営で知られるエイチ・ツー・オー リテイリングが関西スーパーと経営統合を行うことが決定。一方のオーケー側は、この経営統合が決まった臨時株主総会での議決に疑義があるとして、統合の差し止め処分を裁判所に訴え出る。

しかしこの処分に不服を申し出た関西スーパーが控訴し、法廷闘争にまでもつれこんだ。最高裁にまで及んだ裁判の結果、オーケーは関西スーパーの買収権争奪争いに敗北し、関西進出の機会を失ってしまったのだった。

オーケーは裁判に敗訴する年に、今回の高井田店の土地を落札。関西進出に失敗した悔しさが滲み出るようなスピード感だが、そこから出店計画を進め、3年越しの悲願という言葉がふさわしいオープンへとこぎつけた。オーケーにしてみれば、一連の出来事はなるべく経験したくなかっただろう。

しかし、逆にその体験こそが今回の出店に「ドラマ性」を与え、報道の過熱ぶりを生み出している。

「高井田戦争」が勃発している

もう一つ、今回の出店でドラマチックなのは、高井田という土地の特徴だ。出店地の周辺には7つものスーパーがあり、関西圏でも指折りのスーパー激戦区だ。

よく、スーパーが大量に出店する土地は「戦争」に例えられる。関東でいえば、千葉県の津田沼や東京都の赤羽での出店争いは「津田沼戦争」、「赤羽戦争」と呼ばれていた。その点で、まさに「高井田戦争」が勃発している。

オーケーのすぐ近くには「ライフ」があり、さらにその近くには関西圏を代表する地場スーパー「万代」がある。

しかも興味深いのは、それらのスーパーは、個性が立っていて、それぞれがあらゆる需要に対応している、ということだ。

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