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オーケーの「大阪進出」に私が抱いた"一抹の不安" 安売り推しで通用するほど、関西人は甘くない?

東洋経済オンライン / 2024年11月30日 8時30分

ライフがどちらかといえば製品の質を売りにした中価格帯のスーパーであるのに対し、万代は特売日などを大胆に設けた、安売りが自慢のスーパーである。

実際に筆者はオーケー高井田店周辺を歩きながら、これらのスーパーを視察しているが、低価格が売りのオーケーの本当の強敵になるのは、万代だと考えている。

一方のライフもオーケーの進出に徹底抗戦する構えを見せている。売り場の大規模な改装を行ったのだ。高井田は関西のベッドタウンで、20~40代のファミリー層や単身者が多い。それに合わせ、惣菜や冷凍食品の取り扱いを多くした。特にライフは惣菜に強く、この強化は地元住民にとって心強いだろう。

このように、高井田はさまざまな価格帯のスーパーが周辺に揃っている環境であり、オーケーが関西でもその力を発揮できるかどうかを試すにはもってこいの環境である。まさに、「高井田戦争」ともいえる熾烈な争いが予想されるわけだ。この点でもメディアの注目を引くには十分だ。

高井田が「関西スーパー戦争」の総司令部に?

ちなみに今回のオーケー関西初出店は、「高井田戦争」を引き起こすのみならず、関西のスーパー勢力図そのものを変える可能性があると筆者は考えている。オーケー側がこの高井田店を中心基地として、関西での勢力拡大をはかっているように見えるからだ。実は、高井田店の5階には、オーケーの関西本部が入っている。

同社はすでに、今後も積極的に関西への出店を続けることを明らかにしている。2カ月後の2025年1月には兵庫県の西宮に2号店、2025年春には兵庫県尼崎に3号店を出店する。その後の出店も予定されており、関西各地でバチバチやっていく感を強く打ち出している。

その際の総司令部として、スーパーがひしめく高井田で各社の動向を把握し、今後の関西出店の戦略を立てていくのではないだろうか。「高井田戦争」は、「スーパー関西の乱」の前哨戦でもあるのだ。

特に、先ほども述べたが、対「万代」戦では、EDLPを掲げるオーケーと、「特売」で仕掛ける万代の安売り対決が展開され、どちらの方法が顧客に支持されるのか、という意味でも熾烈な戦いが予想される。

その際の戦略も、この高井田での実践経験を基に戦略が組み立てられていくのだろう。いずれにしても、関西での成否を決定する重要な本部が、高井田にある。その意味でも、今後はじまる「スーパー関西の乱」のはじまりを告げる出店でもあるわけだ。

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