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松本人志の「復帰探るTV局」"チキンレース"の背景 横並びの見解の中、厳しい姿勢を見せた「意外な局」

東洋経済オンライン / 2024年11月30日 10時0分

その主な内容は、「すでに公表済みのコメント以外の情報発信を行うことは、関係者との協議及びその結果の趣旨・内容に鑑み控えざるを得ません」という記者会見に否定的なスタンスの表明。

さらに「事実に反する見解のほか具体的な根拠に基づかない憶測や決めつけによるコメント等が散見される」「関係者の静謐を乱すだけでなく、名誉やプライバシーを著しく侵害することになりますので、厳に慎まれるよう、お願いいたします」とメディアと世間を牽制するような言葉を重ねました。

署名サイト「Change.org」の「#松本人志氏の復帰やめて!」には4万3000超の賛同が集まるなど人々の怒りを買った感は否めず、各局がスルーできない状況を招いています。

この間、「クレイジージャーニー」の過去映像で松本さんの姿が映されたり、「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」で「番組に松本が足りない」というコンセプトの企画が選ばれたりなど、「各局の制作サイドが復帰に向けて世間の反応をうかがっているのではないか」と思わせる放送がありました。

もちろん松本さんの復帰を心待ちにしている人の声もありましたが、少なくとも現段階では、どちらの番組でも反発の声が目立っていたように見えます。このあたりの反響はスポンサーが気にしているところだけに、復帰が遠のく1つの要因になるでしょう。

会見を開いても開かなくても地獄

各局の定例会見では判を押したように「吉本興業の幹部が訪れて裁判終結の報告と長期活動休止に伴う謝罪を受けた」ことが明かされていました。各局と吉本興業の幹部が話をしたわけですから「まったく復帰の話が出なかった」とは考えづらいでしょう。

実際、業界内で話を聞いていると、「まずは世間やスポンサーの反応を見て、ある程度のメドが立った段階で、できるだけ批判があがりづらそうな復帰の形を模索していくしかないだろう」という見立ての人が多くを占めていました。

しかし、松本さんにとって難しいのは各局ともに「当面は様子見せざるを得ない」こと。松本さんを最初に復帰させたテレビ局は批判が避けられず、他局が追随しなければ「一人負け」のように叩かれるリスクが高い以上、身動きは取りづらいでしょう。

「多少強引にでもスポンサーを説得してまで復帰を進めよう」という松本さん寄りの動きは見られず、特に出演番組のあるTBS、フジテレビ、日本テレビの3局が“チキンレース”状態のように見えます。

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