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スガキヤ「ラーメン+ソフトクリーム」が定番の訳 塩気のあるラーメンの後に食べたくなる仕掛け

東洋経済オンライン / 2024年12月4日 9時30分

スガキヤで「ラーメンとミニソフト」を注文したところ、店員さんから「ソフトクリームは後にしますか?」と聞かれた。ラーメン後にソフトを食べる人が多いのだろう。

マスコットキャラクター“スーちゃん”が右手にラーメン、左手にソフトクリームを持っているように、ラーメンとソフトは二大看板だ。

名古屋文化の影響が強い東海三県で育った40代以上の人は、子ども時代に「親に連れられて大型スーパーに行き、スガキヤの店で食べた」という経験を持つ人が多い。

昔も今も、スガキヤのソフトクリームは北海道旅行で食べるような濃厚な味ではない。

「ソフトクリームは動物性ではなく植物性油脂を使い、あっさりした味です。ラーメンの後を甘味でシメるというお客さまも多いです」(同社)

あっさりした味なので「塩気のあるラーメンの後に食べたくなる」と言われてきた。中には同時に出してもらい、ラーメンとソフトを交互に食べる人、残り少なくなったラーメンスープにソフトを溶かした“味変”で食べる人もいる。ちなみに芸能人がテレビ番組のロケでスガキヤを訪問すると、よくこの2品が出てくる。

一緒に頼もうと思うのは、もちろん価格の安さも見逃せない。定番のラーメンとソフトを頼んでも600円台ですむからだ。「スイーツは別腹」という言葉ができるはるか前から、スガキヤでは“ラーメンの後に甘味”を楽しむのが定番だった。

名古屋の喫茶店の特徴

考えてみれば、「この金額でこれだけ食べられる」のは、名古屋の喫茶店が得意なモーニングサービスに近いだろう。当地の喫茶文化を象徴するサービスが“オトク”と“オマケ”。

朝の時間帯にコーヒーやドリンクを頼めば無料でついてくるモーニングはこの2つの要素を満たしている。オトクやオマケはみんな好きだが、特に名古屋人は大好きだ。

原材料や人件費など諸経費の高騰で「ラーメン一杯1000円時代」ともいわれるが、その価格ではラーメン後に甘味を楽しむ気分にはなれない。

スガキヤは時に「小腹が減ったとき」「おやつ感覚で楽しむ」とも言われるが、そうした店の特徴がラーメン+ソフトにつながっているのだろう。

いつもは「ラーメン+ソフトクリーム」を頼むことが多いが、「特製ラーメン+クリームぜんざい」を頼んだこともある。この2品で910円だ(注文当時)。奮発気分だったが、千円でお釣りがきた。

スガキヤを代表する、もうひとつのロングセラーが「クリームぜんざい」だ。店の前身である“甘党の店”(通称)からの伝統を受け継ぐのは、これと「あんみつ」ではないだろうか。両商品とも300円程度で頼める。

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