最終局面の中学受験「気高き12歳に満開の桜を!」 無鉄砲な突撃は危険!終了組からのアドバイス
東洋経済オンライン / 2024年12月4日 8時50分
「未来の自分」からのメッセージに耳を傾けよう
100パーセント思い通りの結果で中学受験を終えるご家庭はごく一部。終了直後、大半の親御さんの心中にはほろ苦さが残ります。「最高の結果」を招くための情報は、中学受験関連の書籍や雑誌やネットにあふれています。でも、ほろ苦さに備えるための情報は、世の中にほとんどありません。
【画像】親子で合格を目指して挑んだ道のりを振り返ったとき、令和の母たちが語る中学受験とは?
喩(たと)えるなら、オフェンス一辺倒でディフェンスが手薄。まるで太鼓やラッパを打ち鳴らす、捨て身の突撃です。気づけばぼろぼろになっているリスクも大きい。
終わってからそれに気づくのが、中学受験の残酷な構造です。それが当時わかっていれば、あんなに慌てたり焦ったりすることはなかったのに、子どもを傷つけることもなかったのに……と、かつての自分を嘆きたくなります。
その嘆きを集め、拙著『母たちの中学受験』(小学館)にまとめました。中学受験を終え、中学校生活にもなじんできた初夏に、「もしタイムマシンに乗って過去の自分に会えるとしたら、どのタイミングでどんな言葉を過去の自分にかけますか?」を聞きました。
これから中学入試本番を迎えるみなさんからしてみれば、いわば「未来の自分」からのメッセージです。
たとえば12月の模試の結果を受けて過呼吸になってしまった母親が選んだ最後の秘策は、金メダリストのメンタルコーチとの契約でした。息子はそこから見事に復調します。
もしタイムマシンがあったら、小6の1学期に戻って、「もっと肩の力抜いたら?」「先は長いよ」と声をかけると言います。母親の肩に力が入り過ぎたことで、子どももガチガチになって、実力が発揮できなくなっていたことに、プロのメンタルコーチをつけることでようやく気づけたのです。
ちなみにこの親子、メンタルコーチのおかげで1月入試では快進撃を続けますが、第一志望の筑駒入試当日の朝、思わぬトラブルが……。
またある母親は、息子が小6になったとき、セカンドオピニオンを求めて、受験データアナリストを参謀につけました。しかし入試本番、連続不合格で心が折れた息子は受験校の校門の前で動けなくなってしまいます。
安全圏を狙ってほしい母親の意に反して、息子は自分の第一志望を貫きました。でも中学受験終了後、息子が中学に通い始めても、母親はもっと強引にでも第一志望を変えさせるべきだったのではないかという後悔が拭えずにいました。
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