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「既存メディアVSネット」で見落とす"大事な視点" マスコミは偏向、SNS情報こそ真実は正しいのか

東洋経済オンライン / 2024年12月4日 14時0分

(写真: bee / PIXTA)

多くの人がスマホを使い、SNSを通して情報を得る現代社会。しかし、そんなときだからこそスマホから離れて、新聞を読む重要性は高まっています。『新聞のススメ』を上梓した、元日経新聞編集委員で経済コラムニストの高井宏章さんが、新聞の読み方を解説します。

最近「マスゴミ」という言葉を目にする機会が一段と増えました。マスメディア嫌いの人々の間では、兵庫県知事選の結果をうけて「SNSが『マスゴミ』に勝利した」といった声もあがりました。マスコミは偏向している、ネットにこそ「真実」がある。それは本当なのでしょうか。

【写真】『新聞のススメ 1日15分でつくる教養の土台 』(高井 宏章)では今こそ伝えたい新聞の読み方を解説

「すべての情報を疑う」が基本

メディアリテラシーとは何か、ChatGPTに聞いてみました。

”メディアリテラシーとは、メディアから得られる情報を適切に理解し、評価し、活用する能力を指します。これは、デジタルメディア、テレビ、新聞、ラジオ、ソーシャルメディア、広告など、さまざまなメディアからの情報を批判的に受け止めるスキルを含みます。メディアリテラシーは、情報がどのように作られ、配信され、受け取られるかを理解し、偏見や操作、誤報から自身を守るために重要です。”(ChatGPTにより生成)

過不足のない答えかと思います。重要な要素は次の5つです。

1 情報の批判的評価
2 情報の理解
3 発信者としての責任
4 デジタルリテラシーとの関連
5 グローバルな視点

「マスゴミ」と既存メディアを全否定し、「真実はネットにある」と声高に訴える人たちの姿勢が、メディアリテラシーの対極にあることは明らかでしょう。3つ目の要素「発信者としての責任」の側面から考えても、真偽不明の情報の拡散に不用意に加担するのはリテラシーの欠如の最たるものです。

これらを踏まえて申し上げたいのは、落ち着いてよく考えてほしい、ということです。

そもそも、この世には「たったひとつの真実」など存在しません。当然「真実を伝える唯一のメディア」も存在しません。

幅広い情報に接して、それぞれを批判的に吸収する、有り体にいえば「すべてを疑う」ことがメディアリテラシーの基本です。

「疑う」とは無論、「すべてをウソだと思え」ということではありません。「どんなメディアも『中立』ではありえず、誤りや意図的な誘導が含まれている可能性がある」と知っておくことが大切でしょう。もっと簡潔にいえば「どんな情報も割り引いて考える必要がある」ということです。

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