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Netflix「日本ついに1000万世帯超え」は吉か凶か 「もうええでしょう」が流行語大賞トップ10入り

東洋経済オンライン / 2024年12月4日 10時0分

会員数1000万件超えの勢いに乗って、日本のテレビ・映画業界の常識を覆していく動きにつながっていくかどうかも気になるところ。お隣の韓国ではNetflixの収益はテレビ局のそれを上回る規模に成長し、労働環境の改善にも貢献しています。

例えば、撮影時間の1日上限の12時間、週52時間というルールがNetflixの作品に限らず、どの現場でも守られるようになっています。制作日数が延び、コストがかかりますが、その分の予算を確保する動きにつながっています。「イカゲーム」の世界ヒットが韓国の制作環境をガラリと変えたのです。

一方で、韓国では出演料の高騰やストーリーの枯渇といったデメリットも生んでいます。こうした一歩先行く韓国の背中を追いながら、プラス要素は取り入れつつ、失敗から学びを得るのが理想です。Netflixの坂本氏もこれに同意する考えを示しています。カギを握るのは「予算の組み立て方」だそうです。

「日本の場合、“制作費をこれ以上かけたら、回収できない”と考えがち。それよりも1つひとつ適正な予算を整理し、合意のうえで担保していくほうがいい。これによって制作環境を整えることができ、さらに実績を積み重ねれば、作品の表現の幅を広げていくことができるのです。丁寧にこのやり方を広めていきながら、最終的には業界のイノベーションにつなげていきたい」

Netflixが目指すゴール

競合のAmazonプライム・ビデオと並ぶ規模になり、国産トップのU-NEXTを大きく引き離していますが、会員数1000万というポジションを意識しすぎることは「決してない」とも坂本氏は言い切っています。潔い答えは続きました。

「Netflixの現在地は道半ば。ようやく動画配信サービスが生活に根付き始めたなかで、目指すゴールは生活に必要な存在になることです。世の中にはさまざまな興味があふれかえっています。それでも“Netflixが必要だよね”と思われる存在になることのほうが数字よりも重要だと思っています」

長谷川 朋子:コラムニスト

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