「売れなくなった」を売れるに変える最強思考の型 正しく論理的に考えるだけでは解決策は見つからない
東洋経済オンライン / 2024年12月11日 13時0分
仕事で「センスの良いアイデア」を出せるようになるためには、どうすればいいのでしょうか。広告会社の最大手企業である電通のマーケティング・コンサルタントの阿佐見綾香さんは「人を動かす隠れたホンネを捉えることで、誰でもセンスの良いアイデアを生み出せる」と言います。同じく電通のシニア・マーケティング・ディレクターである佐藤真木さんとの共著『センスのよい考えには、「型」がある』より一部抜粋、再構成してお届けします。
ホンネを捉えることが突破口になる
マーケティングを一生懸命勉強し、王道のやり方を実践してみても、思ったような結果が出ない。商品が売れるどころか、現状を打破するためのアイデアさえ出てこない。「何が足りないのだろう」と自問する日々が続く。そんな悩みを抱えている人も少なくないでしょう。
その一方で、いつも会議で誰よりも新しい発想を出し、チームを驚かせるセンスの良い人たちがいます。彼らは、同じデータや情報をもとにしているのに、次々と「それだ!」と思わせる解決策を生み出しています。
そんな彼らを見て、「自分にもあんな直観があれば……」と感じたことはありませんか?あるいは、「あのセンスは才能だから、真似するのは無理」と、どこか諦めの気持ちを抱いたことがある人もいるかもしれません。
しかし、本当にそうでしょうか。
「センスが良い」と言われる人たちが成果を上げる背景には、意外にもある共通した思考の型が存在しています。この型を知ることで、誰でも新しい発想を生み出す力を身につけることができます。
この思考の型は、「インサイト」を見つけ出し、それを活用するために体系化された方法です。業界で成果を上げているマーケターたちへのインタビューをもとに、属人的だった暗黙知を言語化し、たった1つの「型」としてまとめました。
「インサイト」とは、「人を動かす隠れたホンネ」を指します。表面に現れたデータや事実だけに頼るのではなく、その奥にある、まだ言語化されていない人々のホンネや本当の欲求を捉えることで、他にはないアイデアや解決策を生み出すことができるのです。
優れたマーケターや企画者たちは、この「インサイト」を見つける力を活用しています。それは特別な才能ではなく、再現可能な思考プロセスによって誰でも身につけられるスキルなのです。
その思考プロセスを体系化したものが、「出世魚モデル」という型です。成長に伴い名前が変わる出世魚のように、自分の感覚で捉えた小さな違和感を、思考の順番に沿って掘り下げ、最終的に「人を動かす隠れたホンネ」、つまり「インサイト」へと育てていきます。「出世魚モデル」を使えば、これまでよりも驚くほど短い時間で、誰でもインサイトを見つけ出せるようになります。
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