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グランカブリオが「マセラティの象徴」たる理由 GT+カブリオレ=クルマ好きの贅沢のすべて

東洋経済オンライン / 2024年12月11日 12時0分

伝統的なグランツーリズモをまとって登場したグランカブリオ(写真:Maserati Japan)

マセラティ ジャパンが「グランカブリオ」を国内発表したのは2024年7月。優雅なスタイルの2ドアクーペで、走らせてもたいへん楽しい。私などは、とても気に入っている。

【写真】イタリアンの高級車メーカー「マセラティ」が送り出した新型オープンモデル「グランカブリオ」

ただし、SUV流行りの昨今、あえてクーペを出したことにどれほど勝算があるのだろう。

「MC20シリーズをはじめ、グラントゥーリズモ、グランカブリオは(日本で販売されるマセラティ車において)あわせて20%程度」とマセラティ ジャパンは言う。つまり、圧倒的にSUVの「グレカーレ」が売れている。

ところが、売る側は“分が悪い”なんて思っていないようだ。

「これらのスポーツモデルの価格帯なども考えると、(販売の数字は)自然なことだと考えております」とは、広報担当者の話。その自信の裏付けともいえる1台が、ここでとりあげるグランカブリオなのである。

マセラティ久しぶりの快作

グランカブリオというのは、ちょっとフシギな車名だ。分解すると、GTとも呼ばれる“グランツーリズモ”と、快適志向のフルオープンである“カブリオ”からなる合成語。速く快適で贅沢というのがマセラティの得意とするモデルで、このクルマは久しぶりの快作だ。

かいつまんでグランカブリオの成り立ちを説明すると、以下のようになる。

基本プラットフォームは、2023年に発売された「グラントゥーリズモ」と共用。ボディのディメンションは、全長4966mm×全幅1957mm×全高1365mmで、ホイールベースは2929mm。2+2としては、けっこう余裕あるサイズだ。

日本に導入されるモデルは、3.0リッターV6エンジンを搭載する全輪駆動。現在マセラティが持つエンジンの最高峰で、404kW(550 ps)の最高出力と650Nmの最大トルクを発生する。

加えてこのエンジンの特徴は、副燃焼室を生成した火炎をメインの燃焼室に送りこむこと。燃焼時間が圧倒的に短くなり、熱効率が向上するリーンバーンなる方式だ。

【写真】贅沢の極み!マセラティ「グランカブリオ」を写真で見る(30枚以上)

アクセルペダルの踏み込みに敏感に反応するパワープラントと、よく利くブレーキ。さらにすぐれてスポーティな操縦性。ハンドルを切ると即座に反応する車体と俊敏な加減速は、スタイリッシュな車体のイメージとぴったり合致する。

このモデルをして「マセラティのブランドを牽引していることは、間違いありません。グラントゥーリズモとグランカブリオはマセラティの象徴であり、これらを作り続けていくことは、ブランドアイデンティとしても重要だと考えています」なる広報担当者の言葉に納得できる走行感覚だ。

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