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縮まない・伸びない「ニット」おうち洗いの"正解" 意外とやっている「NG行為」で寿命を縮める例も

東洋経済オンライン / 2024年12月12日 8時50分

■合成繊維のニットの場合

ポリエステル、アクリル、ナイロンといった合成繊維のニットは、フェルト化して縮みを起こしたり、フィブリル化を起こして繊維がささくれ立ったりすることはありません。

そのため、素材的には①ハードや②ミディアムでも洗えなくはないのですが、やはり洗濯中に伸びてしまうのを防ぐため、手洗い、または弱水流での洗濯機洗いを指定した絵表示になっているアイテムもあるはずです。

水洗いした場合のデメリット

洗濯をするなら、上記のような考え方で洗い方を選びますが、洗濯(水洗い)をした場合のデメリットも同時に考えておかないといけません。

まず、水洗いをするとニットのコシがなくなり、よれてきます。この変化を、洗い方が悪いのかな?とか、洗剤を変えればいいのかな?と思ったりする人も多いのですが、これはいくら洗い方や洗剤を変えても、水で洗う限りは根本的に防ぐことができません。

また、3つの洗い方でハード→ミディアム→ソフトに移っていくほど衣類への影響は少なくなるのですが、同時に洗浄力は弱まります。落としきれない汚れが蓄積すると、黒ずんでくすんだような色合いになります。

元の状態を崩したくないアイテムほどできることが限られていくため、ミディアム→ソフトにいくほどクリーニングが向くアイテムになります。外側から付く汚れを落とすという点でも、油で洗うドライクリーニングをすることも理にかなっています。

そのため、僕ら洗濯のプロはセーターやカーディガンのようなニットを洗う場合、ドライクリーニングを第一に考えます。状態を崩さないためにも、汚れをきちんと落とすためにもです。

短期間に買い替えるのが普通になっている人も多いですが、ニットはそれこそ一生着ることができるアイテムの1つですが、洗濯(水洗い)だとそれが難しくなります。

ニットを頻繁に洗う原因の多くは、きちんと汚れが落とせていない洗い方をしていることが挙げられます。

クリーニングが向くアイテムを無理に洗濯でなんとかしようとすると、汚れが落ちずに残り、落ちない洗濯を繰り返すかたちで、洗う頻度が上がってしまうというわけです。

状態良く着るために必要なのは頻繁に洗うことではなく、着る頻度や着方を適切にすること、服に合わせた洗い方を選ぶことです。繰り返しになりますが、ニットを状態良く着るために必要なことは、頻繁に洗うことではありません。

着用後にはブラッシングをしてホコリを落とし、表面を整える、少し休ませて湿気を飛ばす。そうやって服が持つ復元力で形が戻ることを促しましょう。

消臭スプレーは使っていい?

消臭スプレーも必要ありません。揮発しない成分がニットに残り、生地が固くなるのでおすすめしません。干しておけば大抵のニオイもなくなりますし、逆にニオイがなくならないときは、洗いどきです。

また「菌がいそう……」などの理由で、なんとなく洗わなくてはいけないと思っていませんか? 洗うタイミングは、明確に理由があるときに洗えば十分です。

目に見える汚れがある、2~3日干して休ませても嫌なニオイがする、季節が変わり長期間着なくなる――。洗う必要があるときはそんなときです。

洗うことですべてを賄おうとしてはいけません。服を休ませる時間を取ったり、無理な着方をしなかったり、洗い替えをするための適正な着数を持ったりすることも大事です。

中村 祐一:洗濯家 国家資格クリーニング師

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