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幸運を育む「セレンディピティ感度」の上げ方 「無自覚な先入観」が成功を遠ざけてしまう訳

東洋経済オンライン / 2024年12月12日 11時0分

観察力や注意力を高めると、世界の見え方、日々の経験ががらりと変わることもあると著者は言います(写真:Shivar/PIXTA)

セレンディピティ・マインドセットのある人は、生まれつき他の人より運に恵まれているわけではない。さまざまな方法で運を育てているのだ。

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世界のとらえ方が異なるというのも、その1つだ。

あなたには世界はどう見えるか

生化学者のルイ・パスツールは「幸運は備えある者のみに訪れる」と語ったとされる。あながち的外れではないだろう。

認知科学や経営学の研究では、予想外の事態に気づくか否かのカギを握るのは注意力、つまり「感度」であることが明らかになっている。

意識して探してはいなかった何かに気づき、その過程でそれまで見逃していた機会を認識できるかが問題なのだ。

たとえばチョコレートチップ・クッキーを発明したのは、ルース・グレーブス・ウェイクフィールドという主婦だ。当たり前のクッキーを焼くつもりが、手違いでチョコレートチップを入れてしまい、それが一大産業誕生のきっかけとなった。

観察力や注意力を高めると、世界の見え方、日々の経験ががらりと変わることもある。

世界をどう見て、どう理解するか。つまり、世界をどのような「枠組み(フレーム)」でとらえるかは、いくつもの点を見つけ、結びつける能力を決定づける重要な要素だ。

感度が低く、重要な意味を持つイレギュラーな出来事やアイデアに気づく心の準備ができていなければどうなるか。セレンディピティのチャンスを逃すだけではない。身のまわりの世界に対する認識そのものが、後ろ向きになっていく。

あなたにとって世界は障害でいっぱいだろうか。それとも機会にあふれているだろうか。さまざまな制約があることを、物事がうまくいかない口実に使っていないだろうか。

どれほど困難な状況にあっても、人生に喜び、ときめき、成功をもたらす可能性を秘めたセレンディピティの機会に、絶えず注意を払っているだろうか。

「助けが必要な人」という「枠組み」

ここ10年、私はさまざまな研究者とともに、リソース(資源)に制約のある環境を研究してきた。資金もなければ、世間で認められるようなスキルもない状況だ。

その過程で、明らかな環境的制約があるにもかかわらず、自ら積極的に幸運を生み出している多くの人と出会うことができた(彼らと、世界中の成功者との共通点の多さには驚かされる)。

そうした人物の1人がユサフ・セサンガだ。ウガンダで生まれ育ち、国民の大半が貧困ライン以下で暮らすタンザニアに10代後半で移った。西側先進国の基準に照らせば、ユサフは物理的豊かさや人生の展望という点で、かなり厳しい状況に置かれていたことになる。

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