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「ゴミ山で眠る女性」が"家中のモノ"を捨てた結果 引っ越して8年、はじめて荷解きをしてゴミを捨てた

東洋経済オンライン / 2024年12月14日 10時0分

マンションの管理費はケチらないほうがいい

ほかにも、スポンジや粘着ローラーのスペアテープなど、使う頻度は多くないのに5~6個入りでしか売っていないモノの余り。ついストックしたくなるが、引っ越しの際は思い切って捨ててしまいたい。片付いた後に購入して保管すればいいのだ。

女性が新居で片付けができなかった理由はもう1つある。マンションのゴミ捨て場の環境である。現場で作業にあたっていた二見氏が話す。

「マンションのゴミ捨て場を見させてもらったんですが、毎日ゴミを捨てられるわけではなく、それぞれ指定された日にゴミを捨てなければなりません。加えて、住まれていたのは5階でマンションにはエレベーターがありませんでした。ゴミを1階に降ろすだけで大変だと思います。

一歩行った先にあるマンションには24時間利用可能のゴミ捨て場がありました。そのぶん管理費は上がると思うのですが、片付けが苦手な人ほどゴミ捨て場の環境は重要です。管理費が安いところには安いなりの理由があるんです」

女性は夜勤の仕事をしていた。そうなると、さらにゴミ出しの時間は合わず、ゴミの量は一気に膨れ上がっていった。気力も追いつかず、もう自分の力ではどうにもできなくなった。

女性が片付ける気になった、きっかけ

ゴミ屋敷の住人はこうした状況になっても誰にも相談できずに孤立してしまう方が少なくないが、女性には幸い、そばにいてくれる人がいた。マンションの同じフロアの3部屋となりに住んでいた実の姉である。

「妹とは衝突もありましたね。私が片付けろって強く言うほうで、妹が病んでいるときはしばらく口をきいてくれないときもありました。でも、最近は手を怪我したりとかいろいろあって、片付けていないと部屋の中で転んじゃったりして。妹がぼそっと“片付けないとな”と言った瞬間に私からイーブイさんに連絡しました」(姉)

女性とスタッフの1人が必要なモノが多いと思われる寝室の仕分けをしている間に、ほかのスタッフたちが玄関から片付けていく。生活空間から離れるにつれて不要なモノが増えていくからだ。

モノを捨てられない人と捨てられる人の決定的な違い

ときどき3部屋となりにいる姉が不安そうに様子を見にきていた。ちゃんとモノを捨てられているか心配しているわけではない。というのも、直前まで「やっぱりキャンセルしたい」とまで言っていた妹が、あれもこれも捨て始めたからである。

「いるって言っていたモノまで捨てているから大丈夫なんかなって」(姉)

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