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「パーカーおじさん」堀江氏の怒りがド正論なワケ "おじさんイジり"がNGになった、現代の切実な事情

東洋経済オンライン / 2024年12月14日 12時0分

中でも管理職でもあるベテランの女性アナウンサーが新人アナウンサーの見た目を揶揄する発言は、批判を集めました。

初リポートを控えた新人アナウンサーの緊張を解きほぐすためだったということで、その気持ちはわかるものの、これを逆の立場に置き換えればアウトであることがわかります。管理職クラスのベテラン男性アナウンサーが、新人女性アナウンサーの見た目について、揶揄は論外ですが、ビジュアルを褒めただけでも問題になってしまいます。

対象が新人アナウンサーということで、会社序列からいっても上役、先輩のいじりに反論はしにくい立場。厚労省のパワハラ3要件(1:優越的な関係での言動、2:業務上必要ない言動、3:労働者の職場環境が害される言動)に引っかかる可能性は十分あります。

もちろん、外からはわからない関係性もありますし、本人も「傷ついていない」と言っているとのことですが、アナウンサーとしての職務の助けとなっていないように見えるイジりが批判されるのは当然の流れでしょう。

管理職、上席者による部下イジりがもはや厳禁なのは、普通の会社員なら常識のはずです。管理職である上の立場の人間が「イジりでリラックスさせられる」と判断すること自体が危険なのです。

もはや性別を問わず、容姿イジりはできない時代なのです。それが確定しているのに、なぜいまだにこのような事件が起こるのでしょうか。

ハラスメントを恐れ、指導できない上司

ハラスメント指導や教育は広く一般化しており、大手企業はもちろん、中小企業でも普及しています。私もあらゆる業界、大小さまざまな企業でハラスメント研修や講演をしています。

つまり「ハラスメントって何?」のような無知な社会人は、もはやメインストリームにはいないといえます。ハラスメント禁止はもう常識として定着しています。

むしろ今現場で起きている問題は「ハラスメント、ダメ、絶対」を理解していないことではなく、何がハラスメントなのかがしっかり理解できていないことです。

管理職だけでなく、ハラスメントを受ける側とされる一般社員も、何がそれにあたるのかを明確に理解しておらず、「業務上の指示であっても、本人が嫌な気持ちになればハラスメント」というような極端な認識をする社員も珍しくありません。

一方、管理職は管理職で、自分自身の認識に不安があるため、ハラスメントと言われるのが恐くて指示も指導もできないという人も少なくありません。

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