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「クリパの翌日に」死んだ愛猫の腸内にあった異物 イヌや鳥も…年末年始にペットの死が多い理由

東洋経済オンライン / 2024年12月15日 8時0分

愛犬が亡くなった悲しみが消えるわけではありませんが、「自分の不注意で死なせてしまったわけではない」とわかり、飼い主さんは少し安心されたようでした。

これは、がんで亡くなったというケースでしたが、過去に僕は、尖った鳥の骨や焼き鳥の竹串を飲み込んで命を落としたイヌを何度も見ています。

飼いイヌが誤って危険なものを飲み込まないよう、飼い主さんは気をつけてあげてくださいね。また、様子がおかしいと感じたら、すぐに動物病院に連れていくよう心がけてください。

様子がおかしくなる原因はさまざまですが、病気の場合、基本的に早い段階で治療を施せば、命が助かる可能性は高まります。

病理解剖は時間との戦い

動物の死因を明らかにするための解剖、すなわち病理解剖は、時間との戦いです。動物の体は、死ぬとすぐに死後変化が始まり、本来の病変(病気によって組織などに起こる変化)が隠されたり、死後変化と病変との区別が難しくなったりします。

つまり、死んでから時間が経つほど、死因の特定は困難になっていきます。そのため、遺体が持ち込まれた際には、できるだけ早急に病理解剖を始めなくてはなりません。

これが僕のような獣医病理医のつらいところで、休日や夜間に何の前触れもなく遺体が持ち込まれ、暦も時間も関係なく病理解剖が始まるということがめずらしくありません。家族と季節の行事を過ごせないこともしばしば。妻と子どもたちには、いつも帰りが遅くなってしまってごめん、という気持ちでいっぱいです。

病理解剖を通じて読み取った死因をみなさんと広く共有できれば、避けられる死もたくさんあります。常々抱いているそういう思いが、僕を年末年始の解剖に向かわせています。

大切なペットが亡くなってしまうと、楽しいはずの年末年始が一転して悲しいものになってしまいます。動物たちにとって特に危険が多いこの時期、不慮の事故が起きないよう、飼い主のみなさんはペットたちの身の回りに十分に気を配ってあげてくださいね。

中村 進一:獣医師、獣医病理学専門家

大谷 智通:サイエンスライター、書籍編集者

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