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「パーカー騒動」で吠える"令和おじさん"の正体 団塊ジュニアはなぜパーカーにこだわるのか?

東洋経済オンライン / 2024年12月15日 12時0分

何が言いたいのかというと、スウェットパーカーをファッションとして楽しむようになった大きな流れを作ったのは、妹尾さんに全否定された現代のおじさん(団塊ジュニア世代)だったのである。

おじさんになり損ねた団塊ジュニア

付け加えるなら、現在50代前後のこの世代はおじさん、おばさんになり損ねた世代である。し前に1989年のバブルスターのCMの写真がXで上がっていて、当時アラフィフだった出演者の山城新伍さん、松方弘樹さん、梅宮辰夫さん、千葉真一さん、北大路欣也さんたちの貫禄に皆が驚いていたわけだが、さよう、昭和のおじさんのおじさんらしさに比べると令和のおじさんはおじさんらしさに著しく欠ける。

昨年、高校時代の同窓会が30年ぶりにあったのだが、出席した200人の同級生たちは思っていたほど変わっていなかった。昭和のおじさんの休日着といえば、ゴルフブランドのポロシャツにフレアのスラックス、ブランドロゴ入りのベルト、そしてローファーのできそこないみたいな"餃子靴"が定番で、若者ファッションとは明確な線引きがあった。

おじさんになった同級生たちは、もちろん最先端ではないにせよ、30年前とさほど変わらないカジュアルなスタイルに身を包んでいた。団塊ジュニアの上の新人類、バブル世代も、それまでの世代と比べるとファッション的におじさん化しておらず、団塊ジュニア以降はその傾向がさらに強まっていると思っていたが、あらためてそう確信するに至ったのである。

その原因として、失われた30年で経済的に前の世代ほど大人になれていない(余裕がない)こと、世界的にファッションのカジュアル化が進んだこと、ユニクロの台頭で世代間のファッションが平均化したことなどが挙げられ、外的な要因に導かれたとも言えるが、いずれにせよ昭和の大人像とはずいぶん違うのは間違いない。今回のおじさんパーカー騒動は、あらためて令和おじさんの特徴と特異性を炙り出したような気がしている。

大人になってもパーカーが似合う人は?

ここからはファッションとしてのスウェットパーカーに話を広げる。スウェットパーカーはアメリカの大学の体育会系のアスレチックウェア、ユニフォームを出自とするものであり、当然若者のほうが似合う。

大人になってもパーカーが似合うのは、今もスポーツを続けているタイプとストリートファッションを若い頃から貫いているタイプ。分かりやすく言えば、スポーツマンとワルが似合う。それでもアイテムの出自からして、加齢によるシワや白髪とは当然相性が悪いので、若い頃に比べるとどうしても見劣りしてしまう。

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