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トヨタとホンダ、安全運転領域で初コラボの意味 クルマやバイクなどの混合交通を意識した内容

東洋経済オンライン / 2024年12月16日 11時0分

ホンダは交通事故削減に向けた具体的な目標を2ステップで掲げている。第1段階が、2030年に全世界でホンダの二輪車・四輪車が関与する交通死者を2020年比で半減(1万台当たりの交通事故死者数を半減)することだ。ここではアジア地域で件数の多い二輪車事故の抑制が要になる。

続く第2段階として、2050年に全世界でホンダの二輪車・四輪車が関与する「交通事故死者ゼロ」を目指している。単に目指しただけでなく2050年時点で現存するホンダの二輪車・四輪車も対象となる壮大な目標であり、ゆえに四輪車で普及が進む運転支援技術の二輪車への拡充とともに、ライダーとドライバー双方への啓発活動が求められている。

2024年4月13日、トヨタとホンダによる安全運転領域での初コラボレーション活動が行われた。トヨタ交通安全センターモビリタを舞台に「総合トレーニング特別バージョン」と題した当プログラムには、事前に申し込みを行った一般参加者20名が参加。なお、このコラボイベントは好評だったことから9月20日に第2回が開催された。筆者は2回ともライダー兼ドライバーの立場で参加したが、一般参加者の多くはドライバーで、普段から二輪車に乗る参加者は少数派だった。

開催の目的は、四輪車から見た安全領域と、二輪車から見た安全領域を組み合わせることで、混合交通社会において「互いが事故から遠ざかる運転方法を見出すこと」と定められた。トヨタからはモビリタ、ホンダからは鈴鹿サーキット交通教育センターが講習を担当し、さらにトヨタ/ホンダの安全技術担当者も会場に足を運んだ。

具体的な安全運転講習の内容について

講習は、乗用車の死角確認/正しい運転姿勢/低ミュー路面や高速域からのブレーキ/特殊ゴーグルを使った飲酒運転疑似体験など、トヨタがモビリタで通常行っている「総合トレーニング」に、ホンダが提案した「二輪車の特性を理解した交差点の通行」を特別メニューとして加えられた。

「二輪車乗車中死者数の状況」(出典:警察庁「交通事故分析資料2023年」)では、相手当事者のうち96.8%が四輪車を含む自動車であると示された。さらにその内訳では、直進する二輪車と右折する四輪車による事故、いわゆる「右直事故」が94.8%。つまり二輪車と四輪車の事故でライダーが亡くなってしまう場合、ほとんどが右直事故であることがわかる。

今回の特別メニューでは、この右直事故の抑制策を3つのシーンから学んだ。

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