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まさに異例事態「公明党」国民民主にすり寄るなぜ 自民党案ではなく、国民民主案に「相乗り」

東洋経済オンライン / 2024年12月16日 15時30分

実際のところ自公には、以前のような阿吽の呼吸はなくなっている。たとえば大島理森元衆院議長は自民党国対委員長時代、公明党の漆原良夫国対委員長と「悪代官と越後屋」と言われたほどの緊密な関係を築いていた。

「悪代官」とは歌舞伎俳優のような顔立ちの大島氏のことで、「越後屋」とは新潟県出身の漆原氏を指したが、このように揶揄されるほどの密接な関係は今の自公に存在しない。

しかも10月の衆院選で公明党は、政治と金問題を抱える自民党に引きずり込まれた形で大敗した。11の小選挙区で候補を擁立したが、そのうち兵庫2区と8区、東京29区と広島3区の4選挙区しか勝てなかった。

「常勝関西」の大阪では4選挙区全てで敗退し、石井啓一前代表も埼玉14区で落選。比例票についても596万4415票しか獲得できず、ついに600万票を割ってしまった。

10月の選挙では電話をかけても「冷たかった」

公明党関係者は力なくこう語った。

「公明党は比例復活ができない自民党の“裏金議員”33人に推薦を出した。また自民党の公認ではなかったが、10増10減で石井前代表に大票田を譲った自民党の三ツ林裕巳氏と西村康稔氏の2人も推薦した。こうしたことが、有権者の理解を得られなかったのだろう」。さらにこう加えた。

「これまでの選挙なら、有権者に投票を呼びかける電話をかけると、『もう投票しましたよ』と好意的な反応が返ってきた。しかし10月の衆院選では、電話をかけても反応が冷たかった」

それは来年の参議院選に大きく影響するに違いない。そうでなくても支持母体である創価学会は高齢化が進んで選挙の運動力が低下した上、これまでの個人的な集会を中心とした選挙活動がコロナ禍で大きく変容した。

とりわけ参院兵庫選挙区では、公明党は厳しい対応に迫られる。

10月の衆院選で自民党は53万2662票、日本維新の会は44万6210票、立憲民主党は41万1706票の比例票を獲得したが、公明党が得た比例票は28万346票にすぎなかった。参院兵庫選挙区の定数は3議席だから、公明党は絶望的だ。

5年前の参議院選では、公明党の高橋光男氏は50万3790票を獲得して当選を果たしているが、それには特殊な事情があった。この時、定数2で与野党が議席を分け合っていた広島選挙区で、自民党はベテランの溝手顕正氏に加えて新人の河井案里氏を擁立したのだ。

なんとか河井氏を当選させたい当時の安倍政権は、広島県内の公明票を河井氏に入れてもらう代償として、兵庫県内の自民票を公明党に差し出し、高橋氏は当選。

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