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尹大統領「弾劾案可決」でこれから何が起こるのか 次期大統領候補と言われる李代表も実はピンチ

東洋経済オンライン / 2024年12月16日 14時15分

前出の記者は言う。

「李在明代表が大統領になればまず尹大統領が行った外交を否定することから始まるでしょう」

具体的には、徴用工問題における韓国政府が進めた第三者弁済や佐渡金山のユネスコ世界遺産認定について、文在寅政権が慰安婦合意に対して行った検証委員会などを設置することが考えられるという。ただし、日本との関係において変数となるのは、アメリカのトランプ大統領の動向だとも言う。

「北朝鮮と何らかの交渉を持つことにこだわるであろうアメリカ政権により韓日関係の悪化が牽制される可能性もあります」

15日、李代表は憲法裁判所へ1日も早い判断も訴えたが、与・野党からは「次は李代表の番だろう」という声が続々と上がっている。李代表は、城南市長時代の土地開発をめぐる汚職疑惑などで現在12個の嫌疑により5つの裁判を抱えており、11月に行われた2つの裁判のうち公職選挙法違反の罪に問われた一審では懲役1年執行猶予2年の実刑となった。

韓国では、100万ウォン(約11万円)以上の罰金刑が確定すれば被選挙権が剥奪される。韓国には一審6カ月、二審3カ月、終審3カ月の「6・3・3の原則」があり、これにのっとれば、4月までに終審を終わらせるべきとする見方も広がりつつある。

終審までいかなくとも、2月か3月には二審の判決が出る可能性が高い。仮に二審で一審同様、実刑判決がでれば世論の風向きは変わるのではないかと見られ、李代表には大統領選挙を1日も早く行いたい思惑がある。

「はたして犯罪者に大統領職を任せられるのかという反動が起こる可能性は十分にある。そうなれば、野党内部で”李おろし”が始まり、他の候補者が続々と頭をもたげてくる」(前出記者)

李代表の他に候補として挙がるのは?

候補者として挙がるのは、文在寅政権で国務総理を務めた金富謙氏や、金東兗京畿道知事、そして文前大統領の側近といわれた金慶洙元慶尚南道などだ。金前知事は、戒厳令宣布の翌日、留学先のドイツから急遽帰国しており、大統領選挙をにらんでの帰国だと囁かれた。

一方、弾劾訴追に賛成という離脱票が流れた与党はまだ混乱状態だ。世論調査で李代表の対抗馬とされた国民の力の韓東勲代表は16日辞意を表明しており、名前が挙がるのは、呉世勲ソウル市長や洪準杓大邱市長らだ。

急展開が続く韓国政界だが、「弾劾訴追まであまりにも短く、もっと論議を重ねるべきではなかったか」や「大統領の任期を1期5年から2期4年にすべきではないか」という声も聞かれる。

まずは、李在明「共に民主党」代表の二審判決の行方はどうなるか。

菅野 朋子:ノンフィクションライター

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