1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

「ポッカレモン」が何度でも"新味"を出す秘訣 70年前発売の商品がなぜいまリニューアル?

東洋経済オンライン / 2024年12月17日 9時30分

ポッカサッポロフード&ビバレッジの吉川和彦さん。マーケティング本部ブランドマネジメント部マネージャーとして「ポッカレモン100」のリニューアルを担当(筆者撮影)

ポッカレモン100が機能性表示食品として9月にリニューアルした。ポッカレモン100に含まれるクエン酸に、高めの血圧(収縮期血圧)を下げる機能が確認されたそうで、ポッカレモン100の内容や成分の変更はないという。約70年前に発売されたロングセラー商品に眠っていた潜在的な能力を見出したのである。

【写真】2024年9月にリニューアルした「ポッカレモン100」

果汁100%のポッカレモンは1972年に誕生

ポッカレモンとは、ポッカサッポロフード&ビバレッジが販売する、レモン果汁を主力商品とするブランドで、1957年の発売以来、長年にわたって日本の食卓に親しまれてきた。発売当初は天然レモンの香りを付けた合成レモン果汁であったが、1972年に果汁100%の商品へとリニューアルした。

1990年の入社以来、長きにわたってポッカレモンに携わっている、マーケティング本部ブランドマネジメント部マネージャーの吉川和彦さんに話を聞いた。

「入社して4年後に商品開発室でポッカレモンを担当することになり、1990年代(当時ポッカコーポレーション)は売り上げのほとんどがポッカコーヒーをはじめとする飲料でした。上司から『レモンカテゴリーは商品開発の仕事がなくてごめんね』と言われました。当時は缶コーヒーが花形の部署でしたね」(吉川さん)

「どうあるべきか」を常に考える

しかし、ポッカの創業者であり、ポッカレモンの生みの親である谷田利景氏にとっては思い入れのある部署だったようで、頻繁に訪れては「社会に対してポッカはレモンを通じてどう貢献していくのか」と、社員1人ひとりに問いかけた。とかくサラリーマンは目の前のことに追われがちだが、「どうあるべきか」という視点こそが谷田氏の経営哲学であり、ポッカのDNAだった。

「商品はどうあるべきか? 事業はどうあるべきか? 社会は、人間はどうあるべきか?など、谷田はことあるごとに問いかけてきました。そのおかげで、『どうあるべきか』を徹底的に考える習慣が身につきました。当時はポッカコーヒーの全盛期でしたが、ポッカレモンなどの食品の分野においても成長させていかねばらないという問題意識を持つ上司もいました」(吉川さん)

当時、ポッカレモンの消費をより拡大するために、吉川さんはポッカレモンの商品とその展開はどうあるべきかを考えた。そして、消費者や飲食店へのヒアリングを重ねながら販路拡大のアイデアを立案した。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください