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サンフレッチェ新スタジアムで広島中心地が激変 ファミリー層や若者を取り込んで街全体が活況に

東洋経済オンライン / 2024年12月17日 12時0分

その後、2月23日のJ1開幕・浦和レッズ戦から本格的な供用がスタート。Jリーグの鬼門といわれた平日開催のナイトマッチでも満員状態が続いた。さらにWE(日本女子プロサッカー)リーグでもサンフレッチェ広島レジーナの2023-24シーズン最終戦・セレッソ大阪ヤンマーレディース戦で6305人と女子の試合では破格の数字を叩き出した。

地元飲食店関係者も「ビッグアーチの頃はサンフレッチェのサポーターだけが試合に行っていたけど、街中に移動した今はファミリー層や若者も気軽に足を運ぶようになった。街のにぎわいも去年までとは全然違います」と前向きに話していたほど。それは仙田社長も認める点である。

この新スタジアムの利点は広島城に隣接し、原爆ドームや広島平和記念資料館、繁華街の紙屋町界隈まで徒歩圏という抜群のロケーション。それに加えて、施設周辺にも飲食店やショップが整備され、スタジアムツアーも開催されるなど、日常的に多くの人でにぎわう場所になっていることが大きい。

さらに、貸出可能な部屋が48もあって、会議や商談、パーティー、展示会や入社式、ウエディングといった各種イベントにも活用されているのだ。

顕著な例が、6月28~29日に行われた「日本肝胆膵外科学会」。ピッチ上に特設ステージが組まれ、壇上で専門医が研究発表し、スタンドに座った約600人の国内外の医師が聞く形式。大型映像装置を使って詳細な手術シーンも流され、好評を博したという。

このように多彩な使い方で「稼げるスタジアム」にしていくのは、欧米では当たり前の考え方。欧州にはショッピングセンターや病院、老人ホームを併設するスタジアムもある。広島の新スタジアムはそこに一歩近づいた日本屈指の最新鋭施設なのは間違いない。

新スタジアム効果で売り上げは1.8倍に

広島より8カ月遅れて今年10月にはJR長崎駅近くに長崎スタジアムシティも誕生。こちらはショッピングセンターや飲食店、ホテル、テナントが一体となった施設で、同じ年に西日本の2大平和都市に素晴らしい拠点が生まれたのは意味あること。クラブ経営にも大きく寄与していくに違いない。

実際、広島の2023年度の売上高は41億9800万円だったが、2024年度は約1.8倍となる75億円を突破する見通しだ。75億円という数字は、2023年度ベースで見ると浦和、川崎フロンターレに続くリーグ3位。2024年度の実数がまだ出ていないため、未知数な部分もあるが、今季の広島の経営規模がリーグトップ5入りするのは確実とみてよさそうだ。

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