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人に注意するとき「好感度を下げない」簡単なコツ イヤなことを面白くするお笑い芸人の思考法

東洋経済オンライン / 2024年12月18日 8時50分

自慢話をしても好感度を下げないコツとは(写真:eizan/PIXTA)

好感度って高くしたいですよね。しかし、そうは思っていても、自慢をしたり人に注意したりすると、好感度が下がってしまうことがあります。そんなとき好感度を下げない方法を、芸人300組以上にネタを提供してきた人気ネタ構成作家・芝山大補氏の新刊『お笑い脳 イヤなことをおもろいに変える芸人の思考法』より一部抜粋・再編してご紹介します。

自慢をしてしまったら、「自虐」で会話を締める

何気なく嬉しいことを報告したつもりが、「自慢された」と陰で言われたり、相手のことを思って注意したら、距離を取られてしまったりとこういった経験は誰しもがあるのではないでしょうか。

そんなときに使える好感度を下げない方法があります。それは、会話を 「自虐で締める」ことです。例えば「自虐」はこんなふうに使います。

A「こないだ1万円の肉を食ったんだよね」

B「え〜羨ましい、オレなんてお金ないから朝昼晩3食ガムなのに〜」

C「(笑)」

自虐とは、「自分を貶めることで笑いを取る技術」です。Bのように、自分の不幸をおもしろく伝えることが自虐になります。これで自虐は理解できたと思います。

次は自虐を使うタイミングです。僕は好感度がとくに下がるのは、「自慢」したときが多いように感じています。なぜなら、世の中には人の幸福を素直に喜べない人が多いからです(僕もだよ)。

そこで、妬んできそうな人の前で「自慢」をしてしまったときは、「自虐」で締めるようにしてみましょう。

普通の会話1

A「こないだオレ、宝くじ100万円当たったんだ!」

B「すごーい!」

これだと、Bは自慢話を聞いて妬む可能性があります。自虐を入れてみましょう。

お笑い脳の会話1

A「こないだオレ、宝くじ100万円当たったんだ!」

B「すごーい!」

A「でも、こないだ車ぶっ壊しちゃったからプラマイゼロ!」

B「(笑)」

こんな感じで、自虐によって相手の嫉妬心を抑えています。こうすれば自慢したという印象が薄まるだけでなく、空気も和やかになりますよね。これだけで妬まれる確率はグッと下がるので、ぜひやってみてください。

続いて、好感度が下がりやすい別のシチュエーションを紹介します。

それは、「人に注意したとき」です。誰でも人に注意されるのはイヤでしょう。こういうときこそ、自虐を使って伝え方を工夫する必要があります。

普通の会話2

A「あのさ、こないだの会議なんだけど態度が悪かったよ」

B「すみません」

A「気をつけてね」

これだと、終わった後に少し気まずさが残ります。自虐を入れましょう。

お笑い脳の会話2

A「あのさ、こないだの会議なんだけど態度が悪かったよ」

B「すみません」

A「まぁ俺も若い頃、同じことやってめちゃくちゃ怒られたんだよね」

B「そうなんですか?」

A「うん! えらい怖い先輩に胸ぐら掴まれたよ(笑)。俺みたいにならないように気をつけてね」

注意された後に、こんな自虐を言われると気が楽になりますよね。こうした1つ1つの安心感の積み重ねが、好感度の差を生みます。

愛される芸人の共通点

人から好かれたい。可愛がられる人間にどうやったらなれるんだろう。そんな願いを持った方、たくさんいると思います。

基本的にお笑い芸人は人から好かれたり、可愛がられたりしなければ活躍できない職業といわれています。それもそのはず、好感度はウケることに直結しているからです。

例えば、あなたの嫌いな人を思い浮かべてください。その人がおもしろいトークをしたときに、その話で心から笑えますか? 大体の方は「笑いたくない」と思うはずです。反対に、自分が大好きな人がおもしろいトークをしたときには、少々つまらなくとも「笑ってあげたい」と思うでしょう。

つまり、好感度が高いとウケやすくなるといえるわけです。

その証拠に長期にわたってテレビに出ている人は、どこか可愛らしく優しそうで愛嬌のある人が多いはず(ほんのたまに、めちゃくちゃ嫌われて売れる人もいるけどね)。

だからこそ、芸人は日々「どうすれば人から愛されるのか?」と向き合っています。ここでは、そんな愛される芸人が使っている好感度を上げるための考え方を教えましょう。まず、質問をさせてください。

「あなたは失敗している姿を見られたら、どう感じますか?」
① 恥ずかしい
② 仕方ない
③ 興奮する

ここで選んだ選択肢によって、人からの好感度が変わります。

「① 恥ずかしい」を選んだあなたは、残念ながら可愛げがないと思われてしまいます。そもそも好感度を上げたいのなら、人は他人のどういうところに可愛らしさを感じるのかを知ることです。

実は人間は他人の「弱さ」を知ったときに、その人に親しみを感じます。例えば、仕事先で「何もかもが完璧だと思っていた人」が飲みに行ったときに、「僕、恋愛は振られてばっかりでうまくいったことないんですよ〜」と言ってたらどうでしょうか? 一気に親しみがわくはずです。

これは、完璧だと思っていた人が弱さを見せることで、「この人もただの人間じゃん」と安心できるからだと考えています。このことから、人は「完璧」には親しみがわかず、「欠点」には親しみがわくということが成り立ちます。

欠点ばかりの天然芸人が、お茶の間で愛されるのはこうした理由です。欠点は隠したり恥ずかしく感じたりせず、さらけ出していくことが大事です。

なので、さっきの質問に「② 仕方ない」を選んだ人は、「好感度が高い人」になります。おめでとうございます!「③ 興奮する」を選んだ人は、ただの変態です。できるだけ自分の部屋から出ないでください。

ちなみに「欠点を見せる」手法は漫画の世界でもよく知られており、漫画のキャラクターを作る際は、必ず「強み」と「欠点」を作るようにするらしいです。そうすると読者はその弱さに親しみがわき、より一層キャラクターに魅力が出るようです(『ワンピース』のゾロが方向音痴なのはそういうことですね)。

人間も同じように「良い部分」ばかり見せるのではなく、欠点をさらすことは魅力をアップさせることに繋がります。

しかし当たり前ですが、欠点ばかり見せているとナメられるし、時によっては信頼を失うケースもあります。

ですから、僕が伝えたいのは「完璧を目指して欠点を一切見せない生き方はしんどいから、少しはさらけ出したらどうかな? それはそれで愛されるんだよ」というものです。

愛されない完璧よりも、愛される失敗です。

嬉しいとき、嫉妬されないリアクション

嬉しいことがあったとき、どんな喜びのリアクションをするかで印象が大きく変わります。人にはいろんな方がいます。他人の良い出来事に嫉妬する人というのは、一定数いるものです。そんな人をいちいち相手にしていたらキリがありませんが、だからといって無頓着にしていると敵を作ってしまいます(イヤな時代だね)。

なので、無駄に敵を作らないためにも、リアクションで笑いにしたり可愛く見せたりして妬まれるのを防ぎましょう。

普通の会話1

A「企画通ったらしいじゃん! 良かったね!」

B「うわ〜嬉しい〜!!」

お笑い脳の会話1

A「企画通ったらしいじゃん! 良かったね!」

B「うわ〜嬉しい〜!! 俺、今日死ぬんじゃない?」

こんな感じで、「良いことがあった分、悪いことが起きるのではないか」と不安げにリアクションをします。これを使うと場の空気も和むことでしょう。

お笑い脳の会話2

A「Bさんのことめっちゃ社長が褒めてたよ」

B「うわ〜嬉しい〜!! 一生分の運を使い果たしちゃいました」

これは可愛く思われたいときに使うのがオススメです。こうやって「1回の成功で一生分の運を使い果たした」と謙遜している様が愛らしいですよね。

お笑い脳の会話3

A「齋藤さんがBのことタイプって言ってたよ! 良かったね!」

B「うわ〜嬉しい〜! それだけでご飯3杯は食べられるよ!」

これは「良い出来事」をおかずにしたらご飯を3杯も食べられるといった表現です。「良いことをおかずにご飯を食べる」というのが少し笑えますよね。

芝山 大補:ネタ構成作家

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