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賛否両論「新生ジャガー」は何を狙っているか? 奇をてらったわけじゃない確かな戦略の確信犯

東洋経済オンライン / 2024年12月19日 13時0分

デザインが公開されるや否や賛否を巻き起こしている「タイプ00」(写真:Jaguar Cars)

ジャガーが、大胆なデザインの「タイプ00(ゼロゼロ)」を発表して話題を呼んでいる。

【写真】ジャガーらしい?らしくない?超大胆なデザインで発表された次世代モデル「タイプ00」

12月初旬の「マイアミアートウィーク2024」での一般公開に先だって、11月に英国ゲイドンのジャガーカーズのエンジニアリングセンターでメディア向けのお披露目が行われたのを、私は実際に見てきた。

このデザインには、さまざまな意味が込められているという。

全長5m超の巨大なモダンラグジュアリー

ジャガーは、電動化をビジネスにとっての好機ととらえている。本社で取材に応じたブランドデザイン・ダイレクターのリチャード・スティーブンス氏は言う。

「ベースになっているのは私たちが(2021年に)発表した『Reimagine(リイマジン)戦略』です。2039年までにCO2排出量を実質ゼロにすることをミッションとしています。同時に、世界でもっとも価値ある、モダンラグジュアリーな自動車ブランドになるべく、チーム一丸で取り組んでいます」

ゲイドンで、集まったメディアの前に公開されたのは、2ドアクーペだった。

いや、車体が5.05mで、ホイールベースが3.1mと、かなり余裕あるサイズなので、厳密な意味でクーペ(セダンを短くした2ドア車体)とは呼べないほどの、堂々たる存在感だ。なにより衝撃的だったのは、フロントマスクだ。

ジャガー車はこれまで、大きめサイズのグリルを特徴としてきたものの、BEV(バッテリー駆動のEV)のため、それはない。

そこには、長方形のパネルがあり、細いストライプのようにスリットが入っているだけ。ヘッドランプユニットは、上下幅が極端に細いものが、目立たない位置にはめこまれている。

ジャガーのシンボルだったリーパー(とびかかるジャガー)はなく、ジャガーのロゴもごく小さく入っているのみ。その文字フォントも、あたらしいものとなった。小文字の中にあって「G」だけが大文字(でもハイトは同じ)という、ひねったものだ。

【写真】超大胆!ジャガー「タイプ00」の先進的すぎるデザイン

プロポーションも、大胆だ。ファストバックスタイルで、ルーフラインがゆるやかな弧を描いてテールエンドにつながっている。リアウインドウはなく、そこにもストライプが入れられているのみ。後方視界は、カメラで補うという。

23インチのロードホイールと組み合わされた大径タイヤを収めるのは、半円に近いホイールオープニング。ルーフラインを含めて、シンプルな線を活かした構成と小さなキャビンとが、アールデコ調の車体をもった1930年代の高級車を連想させた。

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