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「情弱な被害者ではない」闇バイト応募者の本性 「だまされた普通の人々」は作り上げられた虚像である

東洋経済オンライン / 2024年12月20日 13時0分

連続強盗事件を受けて開かれた合同捜査本部会議=2024年10月18日、警視庁(写真:時事)

関東近辺の各地で、高齢の一人暮らし宅などを狙った荒っぽい連続強盗事件が多発している。なかには被害者が死亡したり、誘拐監禁されたりするきわめて悪質な事案も発生している。

【写真を見る】実際の闇バイトを勧誘する画面。「稼がれる方は月に100-150万円」との説明がある

警察は威信をかけて総力で捜査をしているはずだが、それをあざ笑うかのように、今でも次々と各地で同様の事件が発生し続けている。

しかし、逮捕されているのは末端の実行犯にとどまり、主犯と見られる指示役などにはまだ逮捕の手が及んでいない。こうした一連の事件が同じ犯罪組織によるものかはわからないが、「匿名・流動型犯罪グループ」(トクリュウ)が大きく関与していると見られている。

同様の事件としては、2022年から翌年にかけて起こったいわゆる「ルフィ」を名乗る男が首謀した連続強盗事件が想起される。この事件では、首謀者たちは、遠くフィリピンから日本国内の実行役を募り、彼らに指示を出していたことが明らかになっている。

今年相次いでいる事件でも、SNSなどで「闇バイト」を募り、それに応募してきた若者たちが実行役となる構図は、ルフィ事件と酷似している。末端の実行役は、軽い気持ちで「楽で儲かる仕事」に応募し、自ら重大な犯罪に手を染めたわけだが、職業的犯罪者や古典的な組織犯罪者とは違って、その手口のずさんさ、荒っぽさが目立っている。

彼らは「普通の人々」なのか?

このように、「犯罪の素人」とも呼べる者たちの犯行であるがゆえに、メディアでは「普通の若者たちが安易に闇バイトに応募した」「途中で犯罪と気づいても、家族に危害を加えるなどと脅されて後に引けなかった」などと、ともすれば実行役も一種の被害者だと言わんばかりの報道が目立つ。

しかし、私はそうは思わない。やはり、彼らは根本的には反社会的で、犯罪をいとわない人々なのだ。

最近では、逮捕された実行役の一人に子どもを持つ母親がいて「普通の母親までもがこんなことを」という報道ぶりが目立った。しかし、これもまた同様に、一見普通の母親に見えても、私は彼女が決して「普通の」母親であったとは思わない。

この事件では、私はある女性週刊誌から「普通の母親がなぜこのようなことをしたのでしょうか」というインタビューを受けたが、そのとき「このような事件に加担する人は、そもそも普通の母親ではありません」と答え、その理由を丁寧に説明した。

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