1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

サウジ「大規模リゾート」建設で中国企業が存在感 太陽光発電所や蓄電システムなどを続々と受注

東洋経済オンライン / 2024年12月20日 17時30分

レッドシー・プロジェクトはサウジアラビア政府の経済改革計画「ビジョン2030」の重点項目の1つだ。写真は現地で建設中の高級リゾートホテル(RSGのウェブサイトより)

中東のサウジアラビア西北部の紅海沿岸に大規模な高級リゾート群を建設する「レッドシー・プロジェクト」。その建設現場で、中国企業が大きな存在感を示している。

【写真】現地の太陽光発電所に蓄電装置を設置するファーウェイ職員

「われわれの目標は、レッドシー・プロジェクトの(事業運営に必要な)電力供給を100%再生可能エネルギーで賄うことだ。そのための重要な役割を中国企業が果たしている」

プロジェクトの事業主体であるレッドシー・グローバル(RSG)のジョン・パガーノCEO(最高経営責任者)は12月4日、財新記者の独占取材に応じてそう述べた。

電力供給は「100%再エネ」

RSGは、サウジアラビアのソブリン・ウェルス・ファンド(政府系ファンド)が全額出資する不動産開発会社だ。レッドシー・プロジェクトは複数の高級リゾートを核に、住宅、ライフライン、交通インフラなどの建設を同時に進めるもので、サウジアラビア政府が2016年に策定した(石油依存経済からの脱却を目指す)経済改革計画「ビジョン2030」の重点項目の1つに位置づけられている。

同プロジェクトでは、総面積2万8000平方キロメートルに及ぶ開発エリアの電力供給を、将来的にすべて再生可能エネルギーで賄う計画だ。それを実現するため、パガーノCEOは「すでに12社の中国企業と総額44億リヤル(約1757億円)の契約を結んだ」と明らかにした。

レッドシー・プロジェクトのような大規模インフラの建設を、中国企業がサウジアラビアで手がけるのはこれが初めてだ。RSGから請け負った分野は太陽光発電所、蓄電システム、送電網、海水淡水化プラント、上水道、排水処理プラントなど多岐にわたる。

「現地の太陽光発電所には中国製の太陽光パネル76万枚を設置し、蓄電システムの設備容量は1300GWh(ギガワット時)に上る。これまでに完成した(ホテルなどの)施設は太陽光発電だけで運営が可能で、既存の電力網から完全に独立している」(パガーノCEO)。

なお、上述の蓄電システムを受注したのは中国の通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)だ。

中国人旅行者の集客に期待

レッドシー・プロジェクトの建設工事は2019年に始まり、すでに3軒の高級ホテルが営業を始めている。2030年を予定する完成時までには50軒のホテルが開業し、年間延べ100万人の来訪を見込んでいるという。

サウジアラビア政府の「ビジョン2030」は、同国経済の(石油に依存し過ぎない)多様化を目指している。パガーノCEOは、レッドシー・プロジェクトを通じた観光業の振興により、それに貢献したいと意気込む。

「われわれにとって中国からの集客は非常に重要だ。サウジアラビアの(国際的な観光地としての)対外開放は始まったばかりだが、ここには豊かな歴史と文化がある。中国人旅行者の目的地候補のリストに、ぜひ加えてもらいたい」(パガーノCEO)

(財新記者:趙煊)
※原文の配信は12月6日

財新 Biz&Tech

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください