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役所の「窓口手続き改革」いったい何が変わるか 全国7835件の規制を改革、3.6兆円の効果を生む

東洋経済オンライン / 2024年12月20日 10時30分

和歌山県和歌山市では、公用車利用の際、職員が書面による運転日報を提出する必要があったが、これもクラウドサービスを利用するようになり、事務負担が減り、印刷も不要になったため経費削減につながり、いつでも集計データを確認することができるなど、利便性が向上した。簡単なことのように思えるが、このためには要綱の改定が必要であり、現場職員が改善することはなかなか難しかったのだ。

「フロッピーを使わなければならない」ルールも

『アナログ規制見直し』と言われているが、問題となったのはアナログだけではない。

『フロッピーディスクで提出』など、記録媒体を指定する規定も存在しており、今やあまり使われなくなったデジタル記録媒体を無理して使うような事態も発生していた。これでは『アナログ規制』ではなく、『古いデジタル規制』だ。

デジタル原則に適合した運用を行い、立案段階から、業務設計、情報システムの整備などにかかる検討が行われるように、各府省のプロジェクトについて、予算要求段階、執行段階という各フェーズでレビューが実施されるようになるという。

デジタル庁では、条文にアナログ規制が含まれていないかどうかを確認できる簡易チェッカーをウェブサイトで公開している。これにより、条文のチェックのスピード化が可能になった。

産後ケアの書類提出に市役所に行かずとも可能に

デジタル庁によるアナログ規制の見直しでどういうことが起こったのか、実際に自治体の職員の方にビデオ会議でお話をうかがってみた。

答えてくださったのは、福岡県古賀市の子供家庭センターの大浦康志課長と、子育て支援係の吉武真宏係長。

古賀市には出産後、体調や育児に不安のある人が、市が委託する医療機関で、体調管理や沐浴の指導など、宿泊や日帰りによるケアや相談が受けられる仕組みがある。

しかし、従来、この産後ケアを受けるには、窓口での申請手続きが必要だった。ケアが必要な出産したばかりの人が、窓口まで行って手続きをしなければならなかったのだ。もちろん、出産前に手続きを行っていればいいのだが、出産後に産後ケアを受けたくなる人もいる。

「今回の改定で、電子申請が可能になり、スマホでも手続きを行えるようになりました。2024年4月から9月末までの半年間で24件の申請があったうち、23件が電子申請でした。23件というのは件数総数としては多くはないかもしれませんが、たとえ1件でも出産後に大変なお母さんが窓口に出向かなくてよくなったというのは素晴らしいことだと思います」ということだった。

メリットを体感できる改革。ネーミングにひと工夫を

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