1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

スキマバイト「エリクラ」サービス終了の急展開 ごみの不法投棄を余儀なくされる実態があった

東洋経済オンライン / 2024年12月20日 8時20分

リクルートの運営するスキマバイトアプリ「エリクラ」が、2025年6月末にサービスの提供を終了する(画像:エリクラ公式サイトより)

リクルートの運営するスキマバイトアプリ「エリクラ」が、2025年6月末にサービスの提供を終了することになった。

【画像】「マンション拭き掃き清掃、43分、836円」などのスキマバイトを仲介する「エリクラ」

東洋経済オンラインでは、エリクラが主にマンションや駐車場の敷地内における清掃の業務委託契約を仲介しており、ごみを持ち帰らなければならない一部利用者による不法投棄を誘発している可能性があることなどを指摘してきた。リクルート広報は終了の決定について「事業環境の変化などを総合的に判断した結果」としている。

ワーカーとして約10万人が登録

エリクラは、リクルートが「スキマ時間に近所で手軽に仕事が探せる地産地消型のスキマバイトアプリ」として2019年にサービスを開始した。事業者と働き手(ワーカー)の双方がスマホのアプリに利用登録し、そのうえで事業者側が仕事の内容や場所、完了までにかかる目安時間、報酬といった条件をアップする。これにワーカーが応募してマッチングが完了すると、業務委託契約が成立するという仕組みだ。現在、ワーカーとして約10万人が登録している。

エリクラが仲介する業務は清掃関連が中心。アプリには「マンション拭き掃き清掃、43分、836円」「駐車場ごみ拾い・雑草除去、15分、330円」「アパートごみ分別、17分、638円」「夜間電球チェック、3分、121円」など、分単位、1円単位の条件の業務情報が掲載されている。

スマホを利用した類似のスキマバイトアプリとしては「タイミー」や「シェアフル」などがあるが、これらの場合は事業者とワーカーは雇用契約を結ぶ。ワーカーは労働者に当たることから、法令に定められた最低賃金や休業手当といった保障が原則適用される。これに対し、業務委託契約であるエリクラでは、ワーカーは個人事業主となるため、こうした保障は適用外。ほうきや雑巾、軍手などの用具は自費で用意しなければならないほか、集めたビンや缶、雑草といったごみは持ち帰るよう指示されることが多い。

一方で清掃事業によって生じたごみは産業廃棄物、もしくは事業系一般廃棄物とみなされる。また、それらの運搬や廃棄方法については、自治体ごとに細かいルールが決められている。特に廃棄方法については、たとえ少量でも有料で処分するよう規定している自治体が多い。その場合、エリクラの業務で出たごみを自宅に持ち帰り、いわゆる家庭ごみとして捨てた場合は不法投棄に当たる可能性がある。

当事者の声

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください