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受験生のスランプ解消「犬の散歩」が効く納得理由 悩みを抱える受験生に対して親ができること

東洋経済オンライン / 2024年12月21日 7時50分

スランプの状態であれば、どうせその時間で質の高い勉強ができるわけではありませんし、「勉強があるから家事はできない」と言ってくるのであれば、それはそれでスランプから脱する1つの契機になります。

僕は2浪しましたが、母親にうざったいくらいに「犬の散歩に行ってきなさい」と言われました。受験が1週間前に迫っていてもおかまいなしです。もちろん僕は「無駄な時間を過ごしているな、こんなことしている暇があったら勉強しなければならないのに」と思いながら嫌々散歩をしていたわけですが、不思議なもので、多少そうやって気晴らしで身体を動かすと、そこからの勉強の質が上がったような気がしました。

それに、「無駄な時間を過ごしている」という負い目があると、それを取り戻すために勉強しなければならない、という意識が働いて、不思議と勉強のやる気が出てくるのです。おそらく家にずっといて勉強しようとするときより、勉強の効率・勉強のモチベーションが数倍わいていたと思います。これは、今でも自分が母親に感謝していることの1つです。

東大生たちに話を聞くと、自分と同じように勉強の合間に親から家事をすることを推奨されていたという人が多いです。

受験期であっても皿洗いは自分の仕事だったとか、風呂掃除だけはどんなに受験が近づいてもやっていたとか、そんな学生の数はとても多いです。男女関係なく、受験生なのに特別扱いをされず、家事の手伝いをしていた人が多かったのです。ぜひ参考にしてみてください。

もう1つ親御さんにおすすめなのが、「悩みがちな時間に受験生に積極的に話しかける」というものです。例えば、多くの受験生は夜に悩みがちで、寝る前に不安が押し寄せてくるという場合も多いです。その時間をめがけて「どうでもいい雑談」をしにいくのです。

受験生に遠慮して、なかなか親子のコミュニケーションが取れない、なんて家庭もありますが、むしろコミュニケーションを取らないようにすればするほど、スランプになってしまいます。積極的に話しかけたほうがいいのです。

このときの会話の内容は、受験と全然関係ない話題でかまいません。むしろ、勉強に関係する話をしてしまうとプレッシャーになってしまうので、勉強と関係のない話を積極的にするのがいいと思います。ニュースのネタとか、親戚の話とか、くだらない話をすればいいのです。

重要なのは「親が焦らないこと」

最初は子どもにうっとうしいと思われてしまうかもしれませんが、そうやって1人でいる時間が減っていくと、孤独を感じないようになって悩む時間が物理的に減っていくわけです。

そして不思議とスランプの状態から脱していきます。これが「痛み止めを飲んでやり過ごす」ということになります。

さて、ここまでスランプの時期の親御さんの振る舞いについてお話ししてきましたが、いちばん重要なのは「親御さんが焦らないこと」です。親御さんが「この時期に勉強できていないなんて、大変な問題だ」と思いすぎてしまうと、それ自体が子どもに対してのプレッシャーになってしまいます。

焦る必要はありません。なぜなら受験期になってブーストがかけられず、スランプに近い状態になってしまっているというのは、実はどの家庭でも起こっています。ですので、受験直前だからこそ焦らずに接してあげてください。

西岡 壱誠:現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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