「自分の体の天気予報」で疲れ知らずの毎日を送る 人気パーソナルトレーナーが考える「休養学」
東洋経済オンライン / 2024年12月21日 8時0分
突然ですが、あなたは今疲れていませんか?
長きにわたって疲労を研究してきた医学博士・片野秀樹氏の著書『休養学:あなたを疲れから救う』では、疲れることを予見して、前もって休んでおくことを推奨しています。
自分の体を「天気予報」できるようになれば、上手なタイミングで休むことができると語るのは、筋肉をほぐしながらピラティスの動きで体を鍛える「ほぐピラ」の考案者として知られるパーソナルトレーナーの星野由香さん。
星野さんは「休養学」をどう捉えたのか。前編と後編の2回に分けてお届けします。
「間」をうまくとれない日本人
本書を読んで、運動指導者として歯がゆく思っているところを突いてくれたと思いました。
【写真で見る】「もう疲れを残さない」疲労研究の第一人者による1冊
運動習慣については、ウォーキングだけでもいいということや、大きな負荷で短時間のトレーニングをすることだけが正解ではなく、小さな負荷でも回数を増やして、長い時間行えば同じ効果を得られるなど、それぞれのやり方があっていいということを伝え始めてはいます。
しかし、政策にしても、参加者にしても、結局、継続率が悪いというのは、専門家として痛いところです。
食事、運動、休養が足りていないということは、以前から思っていましたが、現代の方々は、休み方、切り替え方、そして、特に「間の取り方」がうまくできないことが多いと感じています。
運動するのと同時に、運動する自分を俯瞰している時、動作だけに集中している時、ちょっとリラックスした状態で動作をしている時があります。また、わざと動くことをしない時間を作ることによって、内観する時もあります。
いろんなところに「間」が存在している。でも、そのことがわからないという人が多いのです。
植物に水を与える、日光に当てる、剪定するなど刺激を与えた後は、一旦、間を置いて待つものだと思います。でも、なぜそれを自分に対してはやらないのでしょう。
脱「私はどっちなのか」思考が大事
また、日本語の奥行きを大切にできない人が多くなったとも感じています。言葉一つを取っても、人によって受け取り方も、意味合いも違ってきます。
しかし、「結局、私はどっちなのか」ということだけを気にする方がすごく多いのです。運動も休養も、「やれたのか、やれていないのか」という観点でジャッジメントしてしまう。だから、継続できないのだろうと思っています。
「休養学」は、休むだけではなく、養うという意味を問うてくれていますが、私自身は、「休養と同時に活力が湧いてくる瞬間が必ずある」と考えてきました。
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