日本企業は「中国の素早さ」についていけるか? 2025年SDV投入ラッシュも油断ならない緊迫感
東洋経済オンライン / 2024年12月21日 10時30分
小鵬汽車(シャオペン)やNIO(ニオ)などの新興メーカーをはじめ、すでに20以上の自動車ブランドが、消費者が高い関心をよせるNOAサービスを導入している。
運転支援機能そのものも、高速道路での車間距離保持や車線変更などから、一般道路で自律走行を可能にするシステムへと進化している。
中国ではパワートレインや航続距離だけではく、運転支援機能もクルマ選びの重要な要素になっており、こうしたシステムの充実度や使い勝手の良さは重要だ。
日系メーカーに浮かび上がる3つの課題
日系各社も、先進的な自動運転機能でEVの差別化を図ろうとしている。
トヨタと日産は、自動運転用ソフトウェアを手掛ける中国新興のMomenta(モメンタ)と共同開発したシステムを採用し、マツダは、合弁相手の長安汽車(チャンアン)のプラットフォームと技術を活用。ホンダは自社開発するシステムに、ファーウェイのディスプレイやiFLYTEK(アイフライテック)の音声技術を導入する。
中国メーカーにやや後れを取った日系メーカーだが、これから登場するクルマは大いに期待ができそうだ。
一方、日系メーカーには課題も浮かび上がる。それは大きく3つあり、ひとつ目は「新車開発のスピードアップ」だ。
これまでのエンジン車では、開発期間「3年以上」というのが一般的だった。しかし、中国新興勢のSDVは、ソフトウェアや制御ユニットのアジャイル開発を行い、従来の業界の常識を一変させている。
ハードウェアとソフトウェアを分けて開発できるプラットフォームに力を入れ、開発期間の短縮を実現した。実際、新車開発からラインオフまでの期間を調べてみると、ホンダ「イエP7」が約40カ月かかったのに対し、新興勢は15~20カ月、BYDは16~22カ月と短い。
つまり、中国企業はリスクを取りながら素早く製品を市場に投入し、フィードバックと改善を繰り返しながら、技術や製品の進化を進めてきたわけだ。
技術元メーカー車との競合
ふたつ目の課題は、兄弟車でカニバリゼーションを起こす可能性である。日系メーカーは提携先のプラットフォームを活用し、開発期間とコストダウンを実現している一方、同じプラットフォームを使う中国ブランド車と競合することになりそうだ。
長安汽車の「EPA1」プラットフォームで開発されたマツダEZ-6 は、長安汽車「深藍(ディーパル)SL03」の兄弟車であり、広汽AIONのプラットフォームで開発されたトヨタ「鉑智3X(bZ3X)」は、広汽「AION V」の兄弟車である。
この記事に関連するニュース
-
中国自動車市場で「売れ筋価格帯」が下がる裏側 政府の「買い換え補助金」が消費者心理に影響
東洋経済オンライン / 2024年12月18日 18時0分
-
トヨタ「新プリウス“SUV”!?」登場! 赤内装×美麗クーペボディが超カッコイイ! 全長4.7m級の“本格仕様”もある「bZ3C」中国に登場
くるまのニュース / 2024年12月17日 10時10分
-
やっぱり豊田章男会長の「全方位戦略」が正しかった…自動車大国中国で「売れないEV」が山積みになっているワケ
プレジデントオンライン / 2024年12月9日 7時15分
-
トヨタ中国合弁、開発「完全現地化」で劣勢挽回へ 広汽トヨタ、中国のハイテク企業とも協業強化
東洋経済オンライン / 2024年11月29日 18時0分
-
トヨタが新「4ドアセダン」公開! 四角ハンドル廃止!? 「プリウス以上カムリ以下」な斬新モデル! 何が変わった? 「bZ3」中国登場
くるまのニュース / 2024年11月28日 18時30分
ランキング
-
1「余命1年」治療第2弾がん免疫療法のリアルな効果 副作用は軽く、旅行に行けるほど体調良好だったが…
東洋経済オンライン / 2024年12月21日 9時20分
-
2災害時にも役立つ! 「ハンドソープ」の便利な持ち歩き方 警視庁が公開
オトナンサー / 2024年12月20日 22時10分
-
3トヨタ『エスティマ』復活最新スクープ!…生まれ変わった天才タマゴに採用される技術とは
レスポンス / 2024年12月21日 7時0分
-
4香取慎吾「2025年はソロでブレイク」超納得の理由 「国民的ソロタレント」としてのポジション確立なるか
東洋経済オンライン / 2024年12月21日 10時0分
-
5【美容室】どうせ髪切るし…「寝癖」がひどいまま来店はOK? 直すべきか 本音を現役美容師に聞く
オトナンサー / 2024年12月20日 20時50分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください