東大生の親が実践、受験期に「子の不安消す」簡単技 不安を抱える受験生に対する「正しい接し方」
東洋経済オンライン / 2024年12月22日 7時50分
先ほどのように「受験期になっても全然変わらなかった」と話す東大生は多いのですが、それはきっと、ご両親が努力して、あえてそう振る舞っていたのではないかと思うのです。受験生のお子さんに引っ張られないように、親として明るく振る舞う努力をしており、それが受験生にいい影響を与えているのではないかということです。
受験生の子どもに対して、親は「あえて空気を読まない対応」をすることも時には必要なのではないかと思います。「空気を読まずにテレビを観てゲラゲラ笑っていた」という家庭がありましたが、意識的かどうかは置いておいて、それが大正解だったのではないかと思うのです。
「とにかく日光を浴びなさい」
僕の事例をお話ししますと、僕は浪人中、めちゃくちゃ暗かったです。浪人して合格するイメージがまったくわかず、精神的に非常に落ち込んでいて、「もうだめだ」とばかり言っていました。
そんな僕に対して、母は無遠慮で無神経に空気を読まずに対応していました。朝が来ても布団に入っている僕の部屋に勝手に入ってきて、カーテンを開けて窓を全開にして、「とにかく日光を浴びなさい」って言って叩き起こしてきました。部屋が汚いと普通に怒られましたし、食器を洗っていないと怒られました。勉強の面では怒られなかったのですが、生活習慣や家庭での振る舞いに関しては怒ってくるのです。
また、どんなに受験が近づいてきても、犬の散歩に駆り出されました。「僕は勉強しなきゃいけないんだけど……」と愚痴を言っても、「知らないわよ。ちゃんと家族として犬の世話くらいしなきゃダメでしょ!」と怒るんです。
また散歩中にため息をついたり、「もうダメだ」とちょっとでもネガティブなことを口にしたりすると、「うるさい!」と母は僕を叱るのです。「私まで気分が悪くなるから、そういうことを言うな」と。
そして、「今度そうやって後ろ向きな発言をしたら、その都度、お小遣い100円ずつ減らすからね!」といい、僕のネガティブな言葉を聞くと、これみよがしに「あ、チャリンね」といじっていました。
ピリピリが蔓延しないようにブロックしてくれていた
当時はこうした母親の行動を自分としては苦々しく思っていたものですが、今思うと、ああやって外に連れ出されたことで、視野が狭くならずにすんだのがよかったと思います。
また、「私まで気分が悪くなるから、そういうことを言うな」という言葉は本当に真理だったなと今でも思います。つまり、「家庭全体にマイナスな感情を広めるな」という意図だったわけですね。
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