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軽井沢「タクシー不足」を解消した"3本の矢"作戦 ライドシェアに「GO」…官民連携プロジェクト

東洋経済オンライン / 2024年12月22日 9時30分

そうした課題に対する解決策の候補は、さまざまあったという。

たとえば、ライドシェア(自家用車活用事業)。2023年後半には、内閣府「規制改革推進会議」のワーキンググループで、議論が白熱していた。これは、のちに自家用車活用事業として形になる。

ほかに、公共ライドシェア(自家用有償旅客運送)や、GOが北海道のニセコで繁忙期に実施した、外部からのタクシー応援隊の試みがあり、協議の結果、前述のように「タクシーアプリ『GO』導入」「日本版ライドシェア」、そして近隣地域を含めた佐久交通圏における「タクシー応援隊」の3つの合せ技での実施が決まった。

GOアプリについては3月28日、町内タクシー合計107台に導入し、4月8日に軽井沢駅北口にGO専用の乗り場を設置した。

日本版ライドシェアでは、4月26日に地元タクシー事業者の松葉タクシー、ますや交通、軽井沢観光、第一交通で合計25台を設定している。

そしてタクシー応援隊については、年間最大の繁忙期にあわせて、7月12日から9月27日まで実施。週末やお盆の需要ピーク期に、3社に応援要請をかけ、11台を増車している。

結果として、日本版ライドシェアと応援隊がもっとも多く稼働したのは8月24日で、タクシー需要全体の約4割に達するという結果になった。こうした「軽井沢タクシー供給強化プロジェクト」の進捗については、町のホームページで紹介している。

プロジェクト実施期間でのタクシー需要に対するマッチング率は、概ね80%以上の水準を確保。「3本の矢」効果は十分にあったと、軽井沢町では評価している。

そのうえで、「地元タクシー事業者の事業を最優先として、得られたデータによって過剰供給にならないように配慮することが大事」(軽井沢町住民課)という姿勢を示した。

軽井沢タクシー協会会長で、松葉タクシー代表取締役の松葉和彦氏は、プロジェクトが稼働して以降「お客様から苦情はひとつもなかった」と振り返る。

「夏休み期間は、われわれタクシー事業者だけではなく、例年は運輸支局、商工会、ホテル旅館組合、観光協会など、まさに連携協定を結んだそれぞれに『タクシーがいない』という苦情がくるが、今年はどこからも苦情がない」とプロジェクトの成果を実感しているという。

渋滞対策など課題も見えた

各方面から好評価を得た「3本の矢」プロジェクトであるが、軽井沢町では今後の課題について大きく3点を挙げている。

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