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妻との出会いは「管理職セミナー」59歳男性の幸運 「シングル志向者」だった2人の出会いと夫婦生活

東洋経済オンライン / 2024年12月22日 12時0分

管理職向けのセミナーで出会って結婚した2人。その出会いと現在から見えてくることがたくさんあります(イラスト:堀江篤史)

何かに感動して敬意を抱ける人であれば、婚活をしなくても心がときめく出会いはある。その相手と恋愛して、場合によっては結婚に至ったりする。

「シングル志向者」だった2人

3年前に結婚した井原麻里さん(仮名、49歳)と英輔さん(仮名、59歳)が知り合ったのは管理職向けのビジネスセミナーだった。「シングル志向者」だったという2人の間にどのようにして恋が生まれたのか。西新宿にある土佐料理店でランチをご一緒しながら話を聞くことにした。

麻里さんは首都圏で学習塾を経営している。創業者は亡き父親で、学生時代から一緒に運営していたという。会社員経験は一度もない。

「公務員の母からは『あなたは性格的にサラリーマンには向いていないと思う』と言われながら育ちました(笑)。父が亡くなってからは私が塾長をしていますが、大学生になった元塾生たちがアルバイトの講師をしてくれています。そのうちの1人が就職せずにうちを継ぐと言うのです。今は子どもが増えている地域だからいいのですが、いずれは少子化の波が来ます。彼の代になっても塾が生き残れるように、今のうちにオンライン講座の取り組みも始めているところです」

表情豊かにどんどん話してくれる麻里さん。自由闊達な雰囲気が漂う、ボブカットの女性だ。仕事場で子どもたちと過ごす時間が楽しく、1人暮らしの自宅と塾を往復するだけの充実した日々だったと振り返る。

「子どもは好きですが、自分は母親業をできる気はしませんでした。仕事ならば割り切れますが、育児は終わりがないので……。家族仲はよかったのですが、自分自身には結婚は向いていないと思い込んでいました。ちなみに弟も独身です」

今から10年ほど前、そんな毎日に変化が生じた。体調不良が続いていた父親が癌のステージ4であることが判明したのだ。「明日からは君が塾長だよ」と言い渡された麻里さんは悩んだ末に管理職や経営者向けのビジネスセミナーを受講することにした。クラスは20人ほどで、4、5人のグループワークが多い。そこで同じグループになったのが英輔さんだった。

懇親会の自己紹介で麻里さんが返してきた言葉

料理店の座席で緊張気味に座っている英輔さんは中肉中背で白髪がやや薄くなっている。しかし、いかにも純粋そうなので年齢より若い印象を受ける。真面目で温厚な中学生がそのまま大人になったような男性だ。ただし、幼い頃から父親のギャンブル依存症で苦しみ、大学卒業後に就職してからは上司のパワハラに遭って体調を崩したこともあると明かしてくれた。

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