無印良品「地域土着化」で変容した売れ筋の中身 2021年に第2創業、客層が広がり最高益を更新
東洋経済オンライン / 2024年12月23日 8時20分
「第2創業が始まった2021年に『地域への土着化』を掲げて推進して以降、スーパー隣接地への出店などを進めています。コミュニティースペースもその一環です」(経営企画部広報課)
地元住民が利用するスーパーの隣に店が増えた結果、売れ筋商品も変わった。日用品でいえば、水回りのお掃除シートのような消耗品需要も高い。
また化粧品にも力を入れており、美容液や夏の時季には日焼け止めも売れる。これまでなら化粧品店やドラッグストアで購入したようなアイテムが人気なのだ。
現在はビジネス現場や日常生活のカジュアル化がさらに進んでおり、消費者はピンときた商品を買う際には、どの業態かを気にしないようになっている。
一方、「昔に比べて無印は高くなった」という声も聞く。どの商品を指すかは人それぞれだが、創業時からのキャッチコピー「わけあって、安い。」を覚えている人もいるだろう。同社が近年、一部商品の価格改定(値上げ)を進めてきたのも事実だ。
とはいえ日常使いでは、レトルトカレーは300~500円未満、美容液なら2000円程度だ。これらを支持する消費者は多く、それも同社の躍進を支えている。
EC会員の取り込みにも積極的
一方で大型家具は苦戦気味だ。核家族化が進み、1人暮らしが最多世帯となった現在、大型家具を買い替える人は減り、この分野は競合も強い。無印良品は現在大型家具については販売のほか、サブスクリプションも行っている。
会員向け訴求で人気なのが「無印良品週間」での割引だ。2024年は3月~4月、10月~11月にかけて2回実施された。ネットストアで購入する場合はMUJI.netメンバーに登録、店頭で購入する場合はMUJI Passportアプリの提示が必要となるが、会員はほぼ全品を期間中に10%オフで購入できた。
近年は小売りや外食でもEC会員の取り込みに積極的だ。会員には一部の品で大幅な割引クーポンを提供する店もあれば、毎週のように5%オフのクーポンを発行して来店を促す店もある。消費者の購買行動を考えると、育てたい販売チャネルだろう。
まもなく2024年が終わるが、年末年始の風物詩の1つといえば福袋。無印良品も「2025福缶」として提供している。その横顔も紹介したい。
「福缶は2012年から販売をスタートさせました。日本各地で昔から親しまれている縁起物(郷土玩具)1点と、インターネットでもお店でも使えるギフトカード1枚が入ったセットという形式は変わりません」(生活雑貨部)
「福缶」の中には38種類の縁起物
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