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あなたの中に眠る「使える短所」と「使えない長所」 「長所がない」と嘆く前にやるべきことがある

東洋経済オンライン / 2024年12月24日 11時30分

長所というと、「他の人より優れていないといけない」「仕事に役立ちそう、お金になりそうでないといけない」と思い込んでいる人がいるようです。

つまり「人より優れていないなら、お金にならないなら、磨く価値がない」というわけですが、それは拙速な決めつけだと思います。夢中になること、すなわち「今、この瞬間」を全力で生きることの積み重ねが人の幸せをつくるのですから。

何より、夢中は努力に勝ります。「努力しよう、頑張ろう」と必死になるより、楽しみながら続けたほうが、得てして、よい結果が出るものです。

こうしたお話をしていると思い出すのは、手先が器用でプラモデルづくりが得意だった友人のことです。彼は某大手信託銀行の就職が決まっていたのですが、それを蹴って歯学部に入り直し、今は歯医者になっています。

「俺が一番得意なことは、人が真似できないような細かい作業をすること。プラモデルづくりのように仕事ができないかと思ったんだよ」。作業が細かければ細かいほど「燃えてくる」と彼は話してくれました。

彼の人生には、長所探しのヒントが隠れているようにも思います。

人が夢中になれることは、小さい頃から案外変わらないということ。高じてそれが自分の長所に、得意なことになり、仕事選びの決め手にもなること。

自分が夢中になれることにすら思い当たるものがない人は、ゆっくりと腹式呼吸をして、心を整えてから、これまでの自分を振り返ってみてください。

子どもの頃、食事をとるのも忘れて没頭したことはありませんか。

誰かに言われなくても『つい』やってしまうことは、ないですか。

これまでに、一番お金をかけてきたものは、なんですか。

あなたはこれまで、どんなことに夢中になってきたのでしょう。その答えの隣に、あなたの長所も潜んでいます。ぜひ探りを入れてみてください。

長所を「生かせる場所」を探したい

長所にまつわるお話を、もう1つしたいと思います。

「長所を磨く」とは、単純に能力を伸ばすことではありません。それを誰かのために役立てることや、その誰かがいる環境を見つけることも、含まれています。

長所は、人のために生かされて初めて、自分の長所として胸を張れるものになる。自信の源になる。そんなふうに考えてください。ここでも、人より優れているか、お金になるかどうかは、気にしないで結構です。

例えば、仕事で「プレゼン資料をつくる」となると、そこには、図を描くのが得意な人や、文章やキャッチコピーを考えるのが好きな人、口頭でのプレゼンが誰よりもうまい人など、多くの人の活躍の機会が生まれます。

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