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中森明菜「2024年の復活劇」でファンに与えた衝撃 今年はたくさんの歌声と元気な姿を披露してくれた

東洋経済オンライン / 2024年12月24日 9時0分

「中森明菜 オールタイムリクエスト」に本人降臨

中森明菜のデビューは1982年。「花の82年組」と言われたアイドル豊作時期の中、高い歌唱力とドラマ性を漂わせ、一躍大スターとなった。

ただ、彼女自身から野心はあまり感じなかった。それよりも、周りを喜ばせるため、類稀なるセンスと才能、ストイックな姿勢で取り組むことで、自然と時代のトップを走っていた、という雰囲気だった。

歌の中に純愛のきらめきを練りこんだかのような『スローモーション』『セカンド・ラブ』『トワイライト -夕暮れ便り-』。自立心のある、けれど寂しがりやの少女が浮かんでくる『少女A』や『十戒』。

19歳のときに井上陽水とタッグを組んだ『飾りじゃないのよ涙は』は、少女から大人になる瞬間のエネルギーと憤りがほとばしっていた。

玉置浩二『サザン・ウィンド』、佐藤隆『AL-MAUJ』、元C-C-Bの関口誠人『二人静ー天河伝説殺人事件』など、個性あふれるミュージシャンとのタッグ曲は、続けて聴くと、旅をしているような気分になる。

オリジナル楽曲の他に、1994年から続いたカバーアルバム「歌姫」シリーズも、本家とはまた違う、哀愁の濃度多めの異世界に誘われるような名歌唱だらけだ。

好きな曲を挙げろと言われても、両手でも足りない。多くの人の心それぞれに、大事な明菜の歌がある――。

嬉しいことに、12月15日、それら名曲を、なんと中森明菜本人といっしょに、シャワーのように浴びる番組が放送された。昨年、音声出演でファンを喜ばせた「中森明菜 オールタイムリクエスト」。そこに今年は明菜がパーソナリティで出演をしたのである。 

番組には1万件近くのリクエストが集まり、ニッポン放送が集計したリクエストのランキング1位は『スローモーション』、2位『少女A』、3位『DESIRE-情熱-』。とはいえ、SNSのコメントを見ても、リクエスト曲が散らばったこと、老若男女、特に80年代の彼女の活躍を知らない若い世代からも、コアなリクエストがあったことは容易に想像できた。

「古いとか新しいとか関係ないです。中森明菜は」

ラジオで呟いた、ミッツ・マングローブの言葉がすべてだろう。

個人的には『TANGO NOIR』に悶えた。衣装が重く、最後ののけぞるポーズで動けなくなり「誰か助けてください……」となったエピソードを話す明菜ちゃんは茶目っ気たっぷり。声を出して笑ってしまった。こんなに面白い人だとは!

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