クリスマス「"4℃買う男性"論争」に終止符の根拠 4℃はもらうものではなく「自分へのご褒美」?
東洋経済オンライン / 2024年12月24日 9時0分
しかし今年は、これまでと少し違った文脈で話題になっている。きっかけは、4℃で働いていた女性と話したことがあるという人による下記の投稿だ。
4℃で働いてた女性と話したことあるけど「彼女さんへのプレゼントって聞いたから、ハートや甘すぎるデザインは避けて、シンプルで使いやすいやつをオススメするのに、アイツら(店に来る男性客)は話を聞かないでハートとか選ぶの。マジで話を聞かない」って言ってたのを思い出した
これが冒頭の、プレゼントの「男女ギャップ」だが、この投稿に賛同する人(主に女性と思われる)も多い一方で、若い人の中には「ハート形でも嬉しい」という声も一定数見られた。
この話題も、4℃に非があるわけではないが、こうしたことも「プレゼントには向かない」「若者向け」というイメージが固定化する一要素になっていることも、また事実のようだ。
男性のギフト需要を取り込む戦略が裏目に
筆者自身は、もはや自分のセンスは信用していないので、食品以外のプレゼントは、相手に選んでもらうようにしているし、実際にそのほうが相手にも喜ばれる。ただ、そういうやり方を取りたくない人もいるだろうし、自分が選んだものを恋人に身に着けてもらいたいと思う人もいるだろう。
ただ、どうしてもプレゼントの内容に不満を持つ人はいるだろうし、いまの時代、一部の人はSNSにそれを吐き出してしまう。それによって論争が起き、文脈が変わってしまうと、ブランドイメージが棄損されかねない。
1980年代後半頃から、ジュエリーのギフト需要の高まりとともに、4℃は男性客を取り込む戦略を取ってきた。その「プレゼント用のラインナップなのに価格は高くない」という点が裏目に出てしまったようにも見える。
ブランド価値は、品質よりはイメージによって形成されるものだ。特に、プレゼントは「値打ちがあるものをもらった」ということが重要になるため、コストパフォーマンスのよい4℃のような商品は、必ずしもその価値が評価されるとは限らない。
いっそ、価格を上げてハイブランドとしてのポジションを獲得することを狙えばよいと思ったりもするのだが、価格を上げることはそう容易なことではない。特に、日本では「高級ブランドは海外ブランド」というイメージが強く、特にファッションやジュエリーでのハイブランド戦略はなかなか成功しないというのが実態だ。
国産ブランドは「海外のお墨付き」が不可欠?
近代化の過程で、日本は先進国である西洋諸国から多くのものを取り入れたが、海外の物品についても「舶来品(はくらいひん)」として珍重されてきた。
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