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「令和ロマンとバッテリィズ」M-1衣装の戦略的凄み ビジネスマンにも役立つ「見られ方」コントロール

東洋経済オンライン / 2024年12月24日 20時7分

令和ロマン(写真:M-1公式サイトより)

大会史上最多となる1万0330組がエントリーしたM-1グランプリ2024。筆者もテレビ視聴していましたが、ビジネスマンのスタイリストという仕事柄「M-1ファイナリストの着こなし」に、今年も着目しました。

【写真】バッテリィズの衣装の着こなし。2人の役割が瞬時にわかる

なかでも令和ロマン、髙比良くるまさんの「衣装の変化」は、昨年との違いを伝えるうえで効果的だったように感じますし、準優勝されたバッテリィズの衣装は、「自身の役割を表す」個性が見事に反映されていました。

M-1ファイナリストとビジネスマン、両者の立場は同じとは言えませんが、「我々ビジネスマンが、『見られ方』を戦略的に考える」良い機会だと感じたのです。

期待値を超えた令和ロマン!衣装から垣間見た凄さ

2年連続トップバッターを引き寄せた令和ロマン。今回くるまさんのジャケット姿が、前回とは「かけ離れた印象だった」ことに気づかれた視聴者も多かったようです。というのも放送直後には、SNSを中心に「ジャケットの肩がすごい」など話題に上がっていました。

ちなみにジャケットは、高級メゾン「サンローラン」のものだということ。これはラジオ番組にて、本人の口から語られていますし、また以下の発言から、意図的な選定だったこともわかります。

「ジョニー・デップがレッドカーペットで着ていました(笑)。それを見つけて“これだ!”と思って。ただ、セットアップじゃなかったので下は自分で組み合わせて、一番ヤバいやつ(に見えるよう)にしました」(TOKYO FM「山崎怜奈の誰かに話したかったこと。」12/12放送分)

このブラックジャケットとオールバックの髪型で登場するや、「終わらせよう」という掴みのフレーズ。まさに「誰が、何を言うか」というコミュニケーションのルールから、この言葉に、ラスボスのような印象を私は受けました。

また臆測になりますが、優勝コンビが「翌年以降出場しない」という不文律を超え、出場した自分を「ヒール役に仕立てる戦略だったのでは」とすら思えるのです。

つまり本番に至る前から、今大会における自身のポジショニングを考え、その「コンセプトを可視化するツール」として衣装を捉えていたこと。この考え方こそ、我々ビジネスマンにも役立つ視点だと思うのです。

「何者であるか」を2秒で表現する印象術

ビジネスシーンの身だしなみで「清潔感の大切さ」は語られますが、パブリックイメージについて触れられる機会は多くありません。パブリックイメージとは、暗黙の了解として誰もが抱く「イメージの集合」を言います。くるまさんの場合、「ヒール役」のパブリックイメージを、肩の反り返ったブラックジャケットとオールバックの髪型で表現し、自分の見られ方をコントロールしていました。

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