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列車の「魅力度」は負けない、栃木ご当地鉄道事情 新幹線に東武特急、どれに乗っていくか迷う?

東洋経済オンライン / 2024年12月25日 6時30分

そして、奥日光を含めた日光のリゾート地としての発展に、日光線がどれだけ貢献したか。いまでは特急も急行も走っておらず、ローカル色が強い路線になってしまったが、歴史的な功績は色あせない。

宇都宮駅の少し北、新幹線と離れて走る東北本線の宝積寺駅からは東に向けてJR烏山線というローカル線も分かれている。

終点は路線名の通り烏山。江戸時代には烏山藩の城下町だった小さな町だ。烏山線では2014年から蓄電池駆動電車のEV-E301系が活躍中。当時JRで初めての、蓄電池電車の営業運転であった。

塩那丘陵を越えて那須野が原に出ると、新幹線と東北本線は邂逅、並んで走っている途中に那須塩原駅がある。東北新幹線の開業によって東那須野駅という小駅から装いを改め、従来の黒磯駅から取って代わって那須高原の玄関口の役割を担う。

宇都宮線の北限の駅

すっかりお株を奪われた格好の黒磯駅も、存在感は薄らいでいない。何しろ、東北本線の愛称「宇都宮線」の区間は黒磯駅が北限だ。電化方式が直流から交流に切り替わるポイントでもあり、黒磯以北では使用車両が交直流のE531系に。常磐線や水戸線と同じ青い帯を巻いた電車が走っているから、なんとなく違和感を覚えてしまう。

そして、東北本線も東北新幹線も、そのまま北に抜けて白河の関。そこから先は、いよいよ東北の旅である。

……と、こうして終わってしまうわけにいかない。栃木県には、JR線だけでなく……というよりはJR線以上に充実した路線網を持っている事業者がある。東武鉄道だ。

東武鉄道の栃木県内の路線距離は埼玉県に次いで長い。何しろ、その名も東武日光線が県内の中央部を南北に貫いているのだ。

東武日光線は日光の中心市街地をめがけて走り、いまでは特急も多数走っている東武の本線級。さらにいえば、ローカル化したJR日光線に水をあけ、日光への観光輸送の主役になっている。

「リバティ」に「スペーシア X」と、看板級の特急が乗り入れ、加えて蒸気機関車(SL)まで走っているのだから、路線そのものが観光化。いまや、日光の主役を担っているといっても過言ではない。

さらに、東武日光線下今市駅からは北に向かって東武鬼怒川線。鬼怒川温泉への行楽輸送を主たる役割とし、終点の新藤原駅では野岩鉄道と接続する。野岩鉄道は鬼怒川上流の山の中を北上し、福島県に入って最初の会津高原尾瀬口駅で会津鉄道と結ぶ。

福島県内まで走る私鉄特急

東武特急「リバティ会津」は、浅草から発して野岩鉄道・会津鉄道に直通、会津田島駅までを結んでいる。途中で群馬県もかすめているから、実に5都県を跨ぐロングラン。これ以上に多くの都道府県を股にかける私鉄特急はほかにない。

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