chocoZAPが"数百種類の広告"を用意した深い理由 市場の「不確実性をコントロールする」重要性
東洋経済オンライン / 2024年12月25日 16時30分
教科書通りのマーケティングや戦略設計だけでは限界がある。そう感じている方も多いのではないでしょうか。これは市場の予測が困難となり、不確実性を許容できないためです。
ここでは、ホンダの小型バイクが売れた理由や、「chocoZAP」の広告を例に、その対策を解説します。
(本稿は『顧客を見れば、戦略はいらない 解像度を上げるボトムアップマーケティング』から一部抜粋・編集したものです)
トップダウンによる戦略のリスク
一般的なマーケティングの実務における「戦略」とは、市場や顧客を分析することでニーズを理解し、自社の商品やサービスのアプローチの仕方を定めることです。
もう少し具体的に説明すると、事前に策定された明確な目標や計画に基づき、ターゲットとなる市場を定め、顧客のニーズに加え、競合する企業や商品・サービスを分析し、見込める利益を算出。事業戦略を立て、計画を詳細化して資源を割り当て、それを正確に実行することを追求するという、トップダウンのアプローチを前提に設計されています。
非常にロジカルな説明をしやすいという特徴があり、社内の意思決定や代理店の提案企画では、漏れなくかぶりのないMECEな考え方を求められ、余白のない緻密で強固な戦略を求められることが多くあるでしょう。
これらは将来の予測ができる場合においては有効です。しかし、確実性を担保できるデータの前提そのものが間違っていたり、はたまた変わってしまったりすると、いくらPDCA(Plan:計画、Do:実行、Check:評価、Action:改善)を回すと息巻いたところで、うまくいくはずもありません。
こういった「理論による確からしさ」を重視するあまり、戦略の硬直性というリスクをはらんだトップダウンの戦略アプローチには、現代の市場環境にそぐわない側面が生まれつつあります。
一方、戦略そのものにボトムアップのアプローチを組み込むことで、それらの懸念を解消することが可能になります。ボトムアップのアプローチは、市場や顧客の変化といった、予期しない問題や状況などに対応しながら戦略を設計します。硬直性が強い計画的なトップダウン戦略に対し、計画を進める中で予期せぬ事態に対処した結果、形成されたものがボトムアップ戦略です。
『イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ』(クレイトン・M・クリステンセン著/翔泳社)には、こんなエピソードがあります。
この記事に関連するニュース
-
「プライドが高い日産」に手を焼くホンダの未来が見える…深刻な経営危機に陥った「国内2位メーカー」の根深い問題
プレジデントオンライン / 2024年12月26日 10時15分
-
トップダウンの会社で頻発「PDCAのPが長過ぎ問題」 「リスクを最小限に抑えたい心理」が失敗を呼ぶ
東洋経済オンライン / 2024年12月24日 15時0分
-
「うるさいほどの大量広告」は一見逆効果だが…チョコザップが「運動嫌いな人」にジムをゴリ押しする真の狙い
プレジデントオンライン / 2024年12月12日 7時15分
-
「不確実な時代を制するための未来・トレンド予測の思考法と分析テクニック」と題して、株式会社経営技法 代表取締役社長 鈴木 俊介氏によるセミナーを2025年1月23日(木)に開催!!
PR TIMES / 2024年12月2日 15時15分
-
野村総研(NRI)グループのAUSIEX、卓越したCXとイノベーションへのコミットメントをサポートするためにNICE CXoneを活用
PR TIMES / 2024年11月29日 12時45分
ランキング
-
1企業の新規株式公開伸び悩む…5年ぶり90社割れ、大型上場目立ち新興・中小は見送り
読売新聞 / 2024年12月26日 23時30分
-
2船井電機会長の即時抗告を却下 破産手続き巡り、東京高裁
共同通信 / 2024年12月26日 21時52分
-
3思わず二度見! 驚愕の“魔改造鼻”装備の「世界で最も売れてる旅客機」出現! 「異形の機首」の用途は?
乗りものニュース / 2024年12月27日 7時42分
-
4「1億総推し活時代」ブームで増える"不安と悩み" 独自調査で判明した「10~70代」のリアルな本音
東洋経済オンライン / 2024年12月27日 7時40分
-
5コロナ禍から大復活!? ANAホールディングスの今期の業績は…投資するなら「株式一択」なのか?
Finasee / 2024年12月27日 8時0分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください