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雌伏30年、リユース「トレファク」が大化けしていた 商材多様化、未開封ウイスキーを4000万円で販売も

東洋経済オンライン / 2024年12月25日 9時20分

今回取材したのは総合リユース「トレジャーファクトリー 浦和中尾店」(埼玉県さいたま市)で、店内は野坂社長の発言を裏づける多様な品揃えとなっていた。

「12月や1月は、衣料ではダウンのようなアウター用品、電化製品は石油ファンヒーター、電気ヒーター、ストーブが人気です。夏ほどではありませんがエアコン需要もあります」

リユースとして取り扱いが難しかったエアコンを同社が強化したのは2019年から。販売数も増え、2024年7月には約2000台を販売した。

筆者は2013年に「トレファク足立西新井店」(東京都足立区)を取材したが、当時から品揃えも大きく変わった。売れる商材に地域差はあるのだろうか。

「国内のトレファク業態で91店、グループ計で292店(2024年12月現在)を展開していますが、それほど地域差は感じません。ただ、寒い地域では暖房器具が早めに動くという季節性や気候はあります。今年は10月まで暑く、秋冬用商材は11月以降に伸びました」

そうした気候や消費者心理を見据えて店内展示を変えるのも大切だという。特にファッショントレンドは刻々と変化するので展示品にも目利きが求められる。

「浦和中尾店では浦和レッズのユニフォームも人気ですが、海外の人気チームも含めて年々デザインが変わります。昔のユニフォームが高く売れることも多く、特にチームがリーグ優勝やカップ戦で好成績を収めた年のものはプレミアム価格になります」

買取価格への不満は?

店名のトレジャーファクトリー(Treasure Factory)は直訳すれば“宝物の工場”だ。かつては掘り出し物を探しに来るお客も多かったが、現在はどうなのだろうか。

「今でも一定数おられます。例えば近隣にお勤めの方が1日2回、昼休みと退社後の夜に来店されたりします。新しい商材が入っていないか定点観測されるようです」

ところでネットには買取価格への不満を書き込む人もいる。それについてどう思うのか。

「当社は商材の市場価値や保存状態を見て査定していますが、昔に比べて総じて好意的な声が増えたと感じています。リユース品を個人売買する人も増え、取り扱いに対する理解が浸透してきたのではないでしょうか」

店舗販売は売れるまで商材の保管場所も必要で、さらにコストがかかる。その分は買い取り(仕入れ)価格に反映させることに対して納得感が得られたということだろう。

市場拡大の追い風となった理由はいくつかあるが、最も大きいのは「断捨離」ブームと震災や豪雨による「自然災害」被害だろう。これらを見聞きした消費者は昔に比べてモノへの執着心も薄れた。「そのうち使うかも」ではなく不用品の見切りも早くなったという。

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