西武・東武・JR集結「小江戸川越」どの路線で行く? 各社が通勤通学・観光両面の需要取り込み競う
東洋経済オンライン / 2024年12月26日 6時30分
川越駅東口には、この地に本社を構える丸広百貨店の「アトレマルヒロ」、東武ストアが入る「川越マイン」という2つの商業施設が並ぶ。ちなみにアトレマルヒロはJR東日本グループが展開するアトレより前に開店しており、資本関係などはない。
クレアモールはアトレマルヒロの北側から始まり、沿道には最近リニューアルを実施した丸広百貨店川越店もある。全国的に百貨店の退潮という話が聞こえる中、川越の丸広は健闘しているという印象を受けた。
一方、観光客が集うのは、最初に紹介した蔵のまちだ。こちらは西武本川越駅から北に伸びる道路沿いにあり、駅からは徒歩10分ぐらいの場所にある。ゆえに同駅は「時の鐘と蔵のまち」という副駅名を与えている。東武川越市駅からは15分ほどだ。副駅名にもある時の鐘は、蔵のまちの中ほどから少し東に入ると目にできる。
西武大宮線の名残も
ちなみに西武大宮線の川越久保町駅があった場所は、本川越駅の東側で、現在は中央公民館があり、火力発電所は東京電力の施設に姿を変えた。近くには発電所があり電車が走っていたことを示す看板がある。
川越久保町駅は線路がループ状になっていたそうで、公民館の脇を走る道路が緩くカーブしているのは、その時の名残だと言われている。
徒歩で回るのは大変という人のためにはバスもある。こちらは西武バス、東武バス、地元川越市を本拠とするイーグルバスの路線バスのほか、観光地を巡る東武バス「小江戸名所めぐりバス」、イーグルバス「小江戸巡回バス」がある。
川越市のデータによると、観光客はコロナ禍以降増加しており、川越市中心部はオーバーツーリズムの状況が続いているそうだ。たしかに筆者が訪れたのは平日だったが、歩道からは人があふれんばかりだった。こうした現状に対して西武鉄道広報部では、以下のような対策をしていると答えていた。
「当社としても電車利用促進策による市内の渋滞解消等の必要性は認識しているため、具体的な解決策を検討していければと考えています。例えば、2024年7月に開催された『川越百万灯夏まつり』では、地域の課題である中心市街地の交通渋滞低減を目指し、鉄道での来訪を促すイベントを実施しました」
2023年度の乗降人員は東武の川越駅が11万4751人、川越市駅が 4万3185人、西武本川越駅が4万8374人となっている。JR川越駅は乗車人員ベースで3万5294人だった。
東京のターミナル駅まで早く行けることに加えて、東京メトロ有楽町線や副都心線への乗り入れもある東武東上線が他を引き離している状況だ。西武の本川越駅は所要時間では不利だが、蔵のまちに近いことから、観光客の利用も多いのだろう。
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