1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

「クリスマスも正月も祝う」日本の不思議な価値観 神道、仏教、キリスト教と受け入れられた背景

東洋経済オンライン / 2024年12月26日 15時0分

このように、必要なもの同士が手を取り合うことで、現在の日本の独特の宗教観が形成されたと考えることができます。

少し時代が飛んで、戦国時代から江戸時代にかけて、今度はキリスト教が日本に到来しました。イエズス会のフランシスコ・ザビエルをはじめとして、宣教師たちによってキリスト教が広められたのです。

ところが、キリスト教の場合、仏教とは違って神道と融合することはありませんでした。神道だけでなく、キリスト教は仏教とも融合していません。

その理由は、いろいろと考えられますが、有力な説としては、「仏教と神道が共に多神教なのに対して、キリスト教は一神教だった」ということです。

仏教も、神道も、複数の神様を信仰しています。日本において仏教と神道、ともに信じる人が多かった理由の1つは、「(多神教であるため)仏教を信じるからと言って、神道を捨てることにはならなかったから」と考えられるのです。

それができたからこそ、仏教と神道は両方日本で受け入れられてきたわけです。

1つの神を信じるキリスト教

ところが、キリスト教を信じることは、複数の神様ではなく、1つの神様のみを信じなければならないことを意味します。つまり、神道や仏教は捨てなければならないということです。そのため、キリスト教は日本の宗教との融合は進まなかったと言われています。

しかし、逆に言えば、日本人は多様な宗教を受け入れてきたからからこそ、同時に「キリスト教も受け入れる」ということができたのではないかと言われています。

今、キリスト教のしきたりも日本人の文化として受け入れられているのは、こうした理由からなのではないかとされています。

いかがでしょうか? 年末年始のシーズンは、さまざまな宗教に触れることが多い時期です。こんな時期だからこそぜひ、改めて歴史を学んでみてもいいのではないでしょうか。

宇野 仙:駿台予備校地理科講師

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください