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「1億総推し活時代」ブームで増える"不安と悩み" 独自調査で判明した「10~70代」のリアルな本音

東洋経済オンライン / 2024年12月27日 7時40分

東洋経済にID登録をしている人が対象のアンケート調査のため一定の偏りが出ている可能性もあるが、男性の回答では「自分自身」という回答に次いで高い比率だった。

例えば東京都在住の70代男性からは「年金生活の中で配偶者が比較的裕福な友達と推し活グループを作っている。『金銭的にきつい』思うときがある」との回答があった。

ほかにも友人が推し活をしているという70代の男性(千葉県)からは「本人はとても良い人なのですが、生涯生活設計と言う観念も無く、遺産相続がAKBの興隆期と重なったのが不運だったのか、全てを推し活に注ぎ込んでしまい、生活破綻目前になっているようだ」という回答もあった。

推し活によって活力を得ているという回答も多数寄せられた一方で、費用負担が幅広い世代で問題化している実態が浮かび上がってきた。

推し活と一口に言っても対象はさまざまだ。そこでお金の使い道を質問してみると、最も多かったのがグッズの購入費だった。次いでイベントの参加費、CDやDVDなどの購入費という順に回答が多かった。

自由回答からは、より具体的な支出の実態がわかってきた。「乃木坂46のファンであるため、ライブの交通費やイベント限定のグッズ、オンラインサロンでの投げ銭等が負担が多いと感じる」(40代男性)。

「BTS 来日時のハイタッチ会など。多くCDを買ったほうが当選率が上がるので、アルバム3枚購入しましたが落選。300枚購入した方もいて、そこまでは買えないと線引きはしています」(40代女性)などの回答があった。

「推し活」の光と闇

さらに、東洋経済ではアンケートの回答者に「推し活で困っていること」を自由回答で質問した。すると、こんな回答が寄せられた。

「推し活の為に借金もしており、かなりの負担」(自身が推し活をしている30代男性)

「アイドルグループ、スノーマンのコンサートに行っては、凄い量のグッズを買ってくることが負担に感じる。学校よりも推し活優先になっている」(子供が推し活をしているという50代男性)

「推すことに必死になり過ぎたり依存しすぎたりして回りが見えなくなる人がおり、友人関係を断ちたくなることがある」(自身が推し活をしている50代女性)

インターネットやゲーム、ギャンブルなどへの依存症に詳しい精神科医の西村光太郎氏は「推し活にのめり込んでしまい、多額のお金を払ってしまうのはある種の人間関係依存症だ」と話す。

「社会生活を維持していく上で問題のない範囲なら個人の自由だが、一線を越えてしまうと歯止めがきかない。アルコールやギャンブルへの依存症と構造は同じ」と西村医師は警鐘を鳴らす。

国は前のめり

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